2011.03.24
パルナス製菓のピロシキ「パルピロ」のCM
ウィキペディアの「ピロシキ」のページを見ていて、「パルナス製菓」という企業の存在を知った。

パルナス製菓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91..

<パルナス製菓株式会社(パルナスせいか)は、かつて関西を中心に洋菓子製造・販売を行っていた食品メーカー。本社は大阪市北区で、後に大阪府豊中市上津島2丁目に移転。2000年に事業を停止し、2002年に企業清算して解散した>。

<兵庫県加西市出身の古角(こかど)松夫(2004年死去)が1947年に神戸市で創業した。1952年に株式会社化。ロシア風ケーキや「クレーモフ」(ロシア風シュークリーム)などの菓子、及び「パルピロ」(ピロシキ)といったロシア風調理パンを製造・販売した。最盛期の従業員は500人あまりで、関西地区に200店以上の直営店とチェーン店を展開した>。

関西圏では有名な店だったようで、ユニークなCMでも知られていたようだ。

<パルナス製菓は1958年から「モスクワの味」のキャッチコピーを打ち出したユニークなCMソングとテレビコマーシャルを次々に制作し、関西圏一円で知名度を高めたことで知られる>。

YouTubeを探すと、このCMがあった。

YouTube - パルナス
http://www.youtube.com/watch?v=YKw4T_10sfQ

この動画は1分30秒あり、最初の1分がパルナス製菓の企業CM(この暗いCMは関西圏で有名らしい)。最後の30秒が、パルナス製菓のピロシキ「パルピロ」のCMである。ここでは「パルピロ」の面白いアニメCMを紹介しよう。



男の子と女の子(おそらく妹)が、雪のふる中をソリですべってくる。BGMの「パルナスピロシキパルナスピロシキパルピロパルピロパルピロパルピロ‥」というのが、いきなり洗脳されそうな執拗な反復ぶりで、スティーブ・ライヒも真っ青だ。



ソリで向かった先は、ロシア風の洋館。BGMも「パ~ル~ピ~ロ~~」とスローダウン。



「ロシア~の~おじさ~ん~言うこ~と~にゃ~」というヴォーカルがBGMに入り、この人が「ロシアのおじさん」であることがわかる。男の子と女の子は、このおじさんのところに遊びに行ったわけだ。



館内では、警備員か料理人らしき職員たちが、コサックダンスのようなロシア風の踊りをしている。男の子もつられてコサックダンス。



「本場~の~味よ~り~まだう~ま~い~」という歌にのせて、ロシアのおじさんが皿いっぱいの「パルピロ」を差し出す。



男の子も女の子も「パルピロ」にかぶりつき、ニッコニコ。



「モスクワの味 パルピロ」「パルナス ピロシキ」という手描き文字でエンディング。

暗い曲調の音楽もすごく個性的で(歌っているのはボニージャックスらしい)、いちど見たら絶対に忘れられないCMだ。「パルピロ」という商品名からしてちょっと異様だが、この30秒の強烈なCMは、まさに「パルピロ」っぽい。

そして、なんだかんだいっても「ピロシキ」を印象に残し、ピロシキ食べたいなあと思わせる。どんなに妙なCMでも、その商品を欲しいと思わせることができたら、そのCMは成功だろう。

ちなみに、CMに出てくる「ロシアのおじさん」は、ほんとうにロシア人、あるいはロシア在住の人なのだろうか。「本場~の~味よ~り~まだう~ま~い~」と歌っているところからして、ここは本場(=ロシア)ではない、と私は推測する。よって、このロシア風の洋館は、ロシアにあるのではなく、日本を想定すべきだろう。

「ロシアのおじさん」は、ロシア人ではなく、「ロシア趣味の日本人」なのだ。その「ロシアのおじさん」が、ロシア風の洋館で、本場(=ロシア)のピロシキを超えるピロシキ、すなわち「パルピロ」を作っている。このCMは、そういう想定のもとに作られていると思う。


関連エントリ:
新宿南口の「もぐもぐパーク北海道」で、高橋製菓の「カステーラ」に再会した
http://mojix.org/2011/02/07/takahashi-castella
ロート製薬のCM
http://mojix.org/2010/10/26/rohto-seiyaku