2011.03.23
芸術が好きな人と、科学が好きな人の違い
アナトール・フランス『エピクロスの園』(岩波文庫)の中に、「芸術の対象」という断章がある。

その出だしはこのようなものだ。

<芸術は真理を対象とするものではない。真理は科学に求めなければならない、なぜなら真理は科学の対象だからである。真理を文学に求めてはならない、文学は美のみを対象としているからである、いや美のみしか対象とはなし得ないからである>。

芸術の対象は美であり、科学の対象は真理なのだ。

ということは、芸術が好きな人というのは美が好きで、科学が好きな人というのは真理が好きだ、ということになるだろう。

よって、芸術が好きな人にとっては、美しいかどうかが問題であって、正しいかどうかは二の次になる。

いっぽう、科学が好きな人にとっては、正しいかどうかが問題であって、美しいかどうかは二の次になる。

ここに、芸術が好きな人と、科学が好きな人の違いがあらわれるのだと思う。


関連エントリ:
「理系」「文系」の区分は日本だけ 「人文科学」「社会科学」「自然科学」の違い
http://mojix.org/2010/01/17/jinbun_shakai_shizen
トニー・ホーアによる「科学と工学の違い」
http://mojix.org/2009/07/10/hoare_sci_eng
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