2011.05.20
津波が来たら浮かんで逃げろ…愛知の企業が「方舟」開発
asahi.com - 津波が来たら浮かんで逃げろ…愛知の企業が「方舟」開発(2011年5月19日11時53分)
http://www.asahi.com/national/update/0519/NGY201105180037.html

<東日本大震災で多くの死者・行方不明者を出した巨大津波に備えようと、愛知県豊田市の中小企業が、神話「ノアの方舟(はこぶね)」をヒントにした救命装置「伊勢の方舟」を開発している>。

<騒音対策や耐震補強の設計・施工業「伊勢産業」(社員10人)の山本憲男社長(68)が、東北沿岸を襲う津波の映像に強い衝撃を受け、設計を始めた。「高台に避難できればいいが、津波の到達に間に合わない場合がある。津波避難タワーをつくっても高さ、収容人数とも不十分だ」と動機を語る>。


開発中の「伊勢の方舟」に乗り込む山本憲男社長=愛知県豊田市の伊勢産業

<方舟は鋼鉄製だが、中が空洞になっているため、水に浮かぶ。水に完全につかると、空気を取り込む部分に入った木製の球が浮かんで穴をふさぎ、水が入らないようになっている。入り口は内側からネジで密閉して、裏返しになっても床や窓のネジを外して出られるようにした。工場内にプールをつくったり、高いところから落としたりしながら、試作品の実験を重ねている。形は人数によって様々だ。2人乗りは長方形、4人乗りは正方形、6人乗りは八角形など>。

これはおもしろい。

こんなものがビジネスになるくらい、いまやわたしたちは危機と隣り合わせで生きているのだ。「ノアの方舟」がヒントだというのも、単なるヒントというより、暗示的ですらある。

いっぽうで、この山本憲男社長の笑顔と、側面に印刷された社名・連絡先からは、中小企業の創意と元気が伝わってくる。それもおもしろい。