2012.07.19
40代で年収1000万円 家計の現状ルポ
PRESIDENT Online - 3人娘の進学・成人・結婚が「名ばかり高収入」に追い討ち
家計の現状ルポ【年収1000万円】
http://president.jp/articles/-/6698

40代で年収1000万円あっても、生活は余裕がない。実話であるという保証はないが、出てくる数字がなかなかリアルで、面白い記事だ。

記事には、石山賢介氏(仮名、47歳 大手エネルギー系企業)と、古川卓治氏(仮名、40歳 大手情報系企業)という2人が出てくる。ともに年収は1000万円以上だ。

2人とも、特にぜいたくをしているわけではない。家族を食わせて、住宅ローンを払えば、あとは飲みにいったり、たまに家族旅行に行くくらいで、1000万円の年収もほとんどなくなってしまう。

2人目の古川卓治氏(仮名)は、約200万円の借金まである。

<毎月の赤字は銀行のカードローンで補填している。クレジットカードの支払いも70万円程度をリボ払いにしており、借金の合計は約200万円。ボーナスで半期ごとに返済してきたが、借金額は増減を繰り返しながら徐々に増えている。しかし、まだ古川氏は慌てていない。カードローンやリボ払い残高の合計額は、「500万円までは許容できるかな」という>。

これはちょっと危ない感じだ。200万円でも危ないのに、500万円まで許容できると考えているとは。

<余裕があるのは毎月妻に渡す15万円が貯蓄に回っている可能性があるからだ。航空会社のマイルを貯めるため、スーパーでの支払いなども家族カードで決済しており、妻が生活費を使う場面は少ない。実際、2年前に日本航空株の購入を夫婦で決めたときには、妻が300万円を用立ててくれた。株式投資は失敗に終わったが、イザというときには妻の貯蓄がある――。そう考えながら、具体的な金額は問いただしていない>。

株に300万円出せるなら、まず借金を完済すべきだ。誰でもそう考えるのでは。

銀行のカードローンであれば、借金の金利は少なくとも5%以上だろうが、株で5%以上のパフォーマンスを出すだけでも容易でない。実際、株では損してしまっている。

そもそも、奥さんが家計を管理しているのはいいとして、貯蓄の総額を把握していないというのもすごい。<妻が300万円を用立ててくれた>という表現も不思議だし、よほど奥さんがしっかり者ということなのか。

と、こんなふうにツッコミを入れながら、わが身をふりかえって考えさせられる記事だ。

大企業に勤める40代で、年収1000万円あってもこうなのだから、「普通に生きていく」だけでもたいへんな時代である。苦しい要因は、住宅や教育費などが高いのもあるが、なんといっても、税金・保険・年金が高すぎることだろう。額面上の年収が1000万円あっても、実際にはその半分くらいしか残らないのだから。
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