2012.10.14
時間を味方につける
家賃や電話料金のように、毎月決まったコストが出ていくものを、会計では「固定費」という。「固定費」は、売上によらずかかるコストなので、経営者は「固定費」を嫌っている。

逆に、これを稼ぐ側で考えると、毎月「固定費」が入ってくるようなビジネスは、固いビジネスである。経営者は、「固定費」が入ってくるようなビジネスを好む。

毎月「固定費」が入ってくるようなビジネスを、私は「時間を味方につける」ビジネスと呼んでいる。そのようなビジネスは、時間が経過するだけで儲かる。言いかえれば、儲かるために「変化」を必要としない。

人間は、そうかんたんに変化しない。ひとつの家に住んだら、なかなか引越しはできない。ひとつの携帯会社に入ったら、なかなか変更できない。なぜならば、変えることには大きなエネルギーが必要だからだ。

「固定費」が入ってくるビジネスというのは、この「変化しない」ほうに賭けるビジネスである。人間はなかなか変化しないので、最初の契約さえ取れれば、この賭けに勝ちつづけることができる。

つまり、「時間を味方につける」ビジネスというのは、なかなか変化しないという人間の特性を利用しているのだ。スキーが山の傾斜を利用し、サーフィンが波の力を利用しているように、「時間を味方につける」ビジネスは、なかなか変われないという人間の特性を利用している。


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