2005.09.30
「情報は自由になりたがっている」の法則
「情報は自由になりたがっている」と言ったのは、誰だったろうか?

この「情報は自由になりたがっている」の法則で、

・ オープンソースの成功
・ 違法コピーのひろがり
・ 「クチコミ」のパワー
・ 情報セキュリティのむずかしさ

などを、統一的に説明できそうな気がする。

これこそ、普遍的な「情報世界の法則」ではないだろうか。
熱の拡散、エントロピーの法則のように、いいとか悪いとかを超えて、それは「そういうもの」なのだ。

連日のように報道される個人情報流出のニュースを見てもわかるように、情報がひろがるのを食い止めるのはいつも難しく、コストがかかる。これは、水のなかに落としたインクの拡散を止めるのが難しいのと似ている。

「情報がひろがる」ことを「自然の力」と考えれば、それに抵抗するよりも、スキーやサーフィンのように、その力を活用し、それに乗ってしまったほうがはるかにラクだ。

つまり、この「自然の力」を活用する方向のビジネスは成功しやすい。
逆に、この「自然の力」にさからうビジネスは、むずかしい。

もちろん、この自然の力にただ身を任せていればいいわけではない。
雨風や天災から身を守る必要があるように、この自然の力に対して、人間の知恵を使って抵抗すべき場面は少なくない。
いわゆるセキュリティがこれであり、セキュリティはもちろん重要だ。
私はここで、セキュリティが不要だとか、意味がないと言っているのではないことを理解してほしい。

しかし事実として、情報がひろがっていく向きに「自然が傾斜」しているのではないか。
だとすれば、その方向に風が吹いていることは、知っておいたほうがいいと思う。