2003.10.24
DJスタイルのBlog
以前ここで「思考のストリーミング」と紹介したWalkingLintさんが、はてなダイアリーに進出した。

WalkingLintさんの場合、エントリーのタイトルが「ややや 道南ミュージアム - コラム に」とか、「Tech総研/エンジニアのための「いつかは転職」ブレーン[リクナビNEXT] は」のように、名詞ではなく助詞で打ち切るかたちになっている(はてなダイアリーの機能で、タイトルがないとき本文の冒頭が引っぱられているだけかもしれないけど)。

引用量ではおそらく日記・Blog界を通じてトップレベルと思われるWalkingLintさんだが、さらにこの助詞で打ち切るタイトルのつけかたを見るにつけ、私はマクルーハン『グーテンベルクの銀河系』や、植草甚一を連想してしまった。

いまマクルーハンや植草甚一が生きていたら、ぜったいBlogに夢中になっていただろう。Webなら引用もコピペで一発、リンクを張るだけで原典に飛べて、書いたらボタンを押すだけで即パブリッシュだ(CMS/Blogであれば)。

マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』に対して、私は純粋な学問というよりもむしろカルチャー的な匂いを感じ(例えばバックミンスター・フラーなんかもそうだ)、その膨大な引用スタイルはまるでDJシャドウみたいだと思った。

同じく膨大な引用からなるWalkingLintさんのスタイルについても、ただ静的に書き残しているというよりも、まるで思考を同時中継(ストリーミング)しているように感じた。

マクルーハンや植草甚一、WalkingLintさんに通じるものをひとことで言うと、「DJスタイル」ということになりそうだ。他人の創作物をそのまま、大量に、自分の創作物に入れ込むというスタイル。

とはいえ、なんでもかんでもデタラメに引用したところで、いいDJにはなれない。やはり、どういうものを、どういうふうに引用するかが腕の見せどころなのだ。