2004.01.27
甲田光雄の「少食ゲーム」
甲田光雄を発見して以来、図書館で彼の本を何冊か借りて、ちょくちょく読んでいる。

甲田光雄は1924年東大阪市生まれ、大阪大学医学部卒で、現在も八尾市で甲田医院を開業している現役の医師。1924年生まれということは、今年80歳だ。

甲田光雄は何十年も前から、自ら少食・断食を実践し、その著作・医療などを通じて少食・断食を普及している。

『あなたの少食が世界を救う』(1999年、春秋社)という本の巻末で、甲田光雄は少食によって得られる数々のメリットを説いている。

玄米や生菜食を中心とした少食によって、

- 自分が健康になる
- 食費による出費が抑えられる
- 医療費が減る
- 肉食を減らせば、家畜のための土地や食料が減り、環境破壊を抑えられる

といった利点がある。

「少食」の実行で人類は将来の食糧危機をも克服>でき、<環境問題を解決する上においても、少食の果たす役割は想像以上に大きいと確信しているのです>。

甲田光雄の説く「少食」は、基本はあくまでも健康・医療としてのメソッドだが、ここではそれが結果として、国や人類のレベルでのいろいろな問題の解決にもつながる、ということが説かれている。

しかし、少食の普及という問題になると、これはいろいろな方面から手厳しい反対があることが予想され、そんな大障壁を乗り越えなければならないでしょう。

その通りだろう。肉食や牛乳などを極力やめよと説いたマクガバン・レポートでマクガバンが猛反発を食らったように、既得権益者による反発が大きいことは目に見えている。

それは「いのち」よりも経済の方が優先するという逆様の社会を、「いのち」優先の正しい社会へとひっくり返す大事業でありますから、これは国をあげての世直し運動となるためです。この大事業を見事に成功させるためにはたとえば「少食党」のようなものの結成が必要であるとも考えています>。

あなたはどう思うだろうか?こんなことを提唱する甲田光雄を、トンデモ人間だと思うだろうか。

私はそうは思わない。甲田光雄の主張を理解すれば、政治政党としての「少食党」は、(実際に可能かどうかは別として)真面目にアリだと思う。そしてそんな党があったら、ぜひ応援したい。

私は甲田光雄の本を何冊か読んできて、この人は日本のバックミンスター・フラー、あるいはリチャード・ストールマンみたいな人だと確信しつつある。世界を変革しうる思想家、それも思弁だけではない「スキル」を持ち、行動する思想家だ。

上の引用からも感じ取ってもらえると思うが、彼の本はどれも、じつにストレートな的確さと、マジメなユーモア感覚みたいなものに貫かれている。私の勝手な基準に過ぎないのだが、これも私にとっては「本物の証し」だ。

少食で世界を救う「少食党」というアイディアは、真剣に考えてもいいと私は思う。

まず、少食によって健康になるという「自分の改善」がある。そして、それがそのまま「世界の改善」にもつながっている。自分はそのままで、世界だけを変えようという独善性がないのがいいし、説得力がある。

私は甲田光雄を読みはじめて、間食や夜食、大食いなどをあまりしなくなり、毎日ジューサーで作った野菜ジュースも飲んで、この20日間で5キロやせた。運動は何もしていないのに。

単なるガマンでは、ここまで続いていないと思う。「甲田光雄ゲーム」が面白いので、続けているという感じだ。じっさい、身体が軽くなってきたし、こんなに面白いゲームはない。

フラーは、人類のひとりひとりを「プレイヤー」と見なし、人類がこの地球上でどう生き延びていくかを「ワールド・ゲーム」と表現した。

甲田光雄の場合、まず「マイ・ゲーム」として始まり、それが「ワールド・ゲーム」にもつながっていくところが特徴だ。まず、自分自身のゲームを楽しく、真剣にプレイするところから始まる。

私はこれを「少食ゲーム」と名づけたい。そして私はしばらく、このゲームをプレイしようと思う。

少食ゲームのプレイヤーが増えてきたら、「少食党」も可能になるかもしれない。