母屋(一般会計)でおかゆを食っているのに、離れ(特別会計)で子どもがすき焼きを食っている
日本国財政破綻Safety Net : まず、特別会計を廃止し、公益法人を整理せよ
http://wanderer.exblog.jp/2167660
<8月11日の日経のコラムで、井堀利宏氏 (東大教授) が「財政再建のためには歳出の大幅削減が必要で、あらゆる歳出削減を…」と主張しています。「国の歳出は80兆円を超えるが、税収は45兆円にすぎず、どんなに歳出をカットしてもこの差を埋めることはできない」さらに、「公共事業費、地方交付税を大幅に減らしても20兆円が限界だろう。残りの20兆円分は増税で補うしかない」(以上、日経新聞から引用)
井堀教授ともあろうお方がこのようなことを言うとは、笑止千万。このブログの読者の方は、よくおわかりのことと思いますが、一般会計は確かに82兆円(2004年度、歳出ベース)です。そのうち、地方交付税は、16.5兆円、公共事業費は7.8兆円、計24.3兆円。これを20兆円カットせよとは、82.3%の削減を意味します。言っていることがマトモではない。井堀教授は、特別会計を無視し、財務官僚に都合のいいことをならべ、国民負担やむなしとの意識を植え付けようとしているのではないでしょうか>。
以下、驚愕の内容がつづく。
松浦武志『特別会計への道案内』という本を引きながら、特別会計を考慮した実際の歳出額は387兆円、歳入総額は408兆円、差し引き21兆円の黒字、と書かれている。
この特別会計について、塩川正十郎前財務大臣は、「母屋(一般会計)でおかゆを食って辛抱しているのに、離れ(特別会計)で子供がすき焼きを食っている」、と言ったそうだ。
「特別会計」で調べてみると、以下の読売新聞のページに行き当たった。
YOMIURI ONLINE : なるほど経済 特別会計見直し本格化 2004年6月22日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo151.htm
国の予算を分解してみると(2004年度)
(図は上記YOMIURI ONLINEより)
ここにも国の予算歳出総額は「469.5兆円」とある。細かい計算方法はわからないが、上記の387兆円という数字と、大きく食い違ってはいない(一般会計が82兆円、というのに比べれば)。
この記事では、特会(特別会計)について以下のように書かれている。
<ここまで肥大化したにもかかわらず、特会の資金はこれまであまり監視されてこなかった。
特会の資金は一般会計からの繰り入れや独自財源、民間からの借り入れなどが入り組んで出入りが分かりにくく、国会などでも追及しにくかった。社会保険料やガソリン税など特定の財源を持つ特会では、財務省も支出だけを減らせとは言いにくい。この結果、各特会を所管する官庁が自分の財布のように自由に予算を使い、特会は各省庁や族議員の既得権益の温床になってしまった。
厚生保険特会や国民年金特会では、巨額の予算が不採算の保養施設「グリーンピア」の建設や、特殊法人や関係団体に天下った厚生労働省OBの高額の報酬などに使われていることが判明した。「母屋(一般会計)でおかゆを食っているのに、離れ(特会)で子どもがすき焼きを食っている」(塩川前財務相)ひどい例は、他の特会にも数多い>。
けっきょく、日本という国のBS(バランスシート、貸借対照表)とPL(損益計算書)がハッキリせず、多数のゴマカシがあるということなんだろうか? だとしたら、とんでもないことだ。
この記事の末尾では、このように書かれている。
<企業の決算では、グループ全体の業績を示す連結決算が主流となっている。連結決算ならば、グループ内の一部の企業に損失を隠すなどして、業績をごまかすことができないからだ。
国もこの手法を導入し、省庁ごとに一般会計と特会をあわせて複雑な資金の流れを整理し、資産と負債の状況などをはっきりさせることにした。一般会計では予算をつけにくい案件を特会に回して、財政融資資金で手当てする「特会とばし」「財政融資とばし」や、民間からの借り入れによって不足を手当てする「隠れ借金」などをあぶり出す狙いがある。2005年度決算の連結財務諸表ができるのはまだ先だが、ずさんな実態が明らかになれば、予算編成作業にも反映できる。
新手法は、財務省だけが予算削減を求めるのではなく、情報を透明化して、各省庁に自己改革を促す手法をとっている。財務省は「情報が明らかになれば、中途半端な改革案は世論の集中砲火をあびる」(財務省幹部)と、国民が無駄遣いを許さないよう監視の目を光らせることで、新手法が改革の突破口となることを期待している>。
企業の連結決算と同様に、情報開示の方向で進みつつあるが、やはり企業の不正会計と同じようなことがおこなわれている、ということのようだ。国民に税負担を強いる前に、ここをクリアにすべきなのは当然だろう。
不正会計があれば、民間企業でさえ裁きを受ける。それでも、民間企業は自分で稼いでいるのだ。これが国レベルでおこなわれ、税金がつぎ込まれているのだとすれば、信じがたい話だ。
http://wanderer.exblog.jp/2167660
<8月11日の日経のコラムで、井堀利宏氏 (東大教授) が「財政再建のためには歳出の大幅削減が必要で、あらゆる歳出削減を…」と主張しています。「国の歳出は80兆円を超えるが、税収は45兆円にすぎず、どんなに歳出をカットしてもこの差を埋めることはできない」さらに、「公共事業費、地方交付税を大幅に減らしても20兆円が限界だろう。残りの20兆円分は増税で補うしかない」(以上、日経新聞から引用)
井堀教授ともあろうお方がこのようなことを言うとは、笑止千万。このブログの読者の方は、よくおわかりのことと思いますが、一般会計は確かに82兆円(2004年度、歳出ベース)です。そのうち、地方交付税は、16.5兆円、公共事業費は7.8兆円、計24.3兆円。これを20兆円カットせよとは、82.3%の削減を意味します。言っていることがマトモではない。井堀教授は、特別会計を無視し、財務官僚に都合のいいことをならべ、国民負担やむなしとの意識を植え付けようとしているのではないでしょうか>。
以下、驚愕の内容がつづく。
松浦武志『特別会計への道案内』という本を引きながら、特別会計を考慮した実際の歳出額は387兆円、歳入総額は408兆円、差し引き21兆円の黒字、と書かれている。
この特別会計について、塩川正十郎前財務大臣は、「母屋(一般会計)でおかゆを食って辛抱しているのに、離れ(特別会計)で子供がすき焼きを食っている」、と言ったそうだ。
「特別会計」で調べてみると、以下の読売新聞のページに行き当たった。
YOMIURI ONLINE : なるほど経済 特別会計見直し本格化 2004年6月22日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo151.htm
国の予算を分解してみると(2004年度)
(図は上記YOMIURI ONLINEより)
ここにも国の予算歳出総額は「469.5兆円」とある。細かい計算方法はわからないが、上記の387兆円という数字と、大きく食い違ってはいない(一般会計が82兆円、というのに比べれば)。
この記事では、特会(特別会計)について以下のように書かれている。
<ここまで肥大化したにもかかわらず、特会の資金はこれまであまり監視されてこなかった。
特会の資金は一般会計からの繰り入れや独自財源、民間からの借り入れなどが入り組んで出入りが分かりにくく、国会などでも追及しにくかった。社会保険料やガソリン税など特定の財源を持つ特会では、財務省も支出だけを減らせとは言いにくい。この結果、各特会を所管する官庁が自分の財布のように自由に予算を使い、特会は各省庁や族議員の既得権益の温床になってしまった。
厚生保険特会や国民年金特会では、巨額の予算が不採算の保養施設「グリーンピア」の建設や、特殊法人や関係団体に天下った厚生労働省OBの高額の報酬などに使われていることが判明した。「母屋(一般会計)でおかゆを食っているのに、離れ(特会)で子どもがすき焼きを食っている」(塩川前財務相)ひどい例は、他の特会にも数多い>。
けっきょく、日本という国のBS(バランスシート、貸借対照表)とPL(損益計算書)がハッキリせず、多数のゴマカシがあるということなんだろうか? だとしたら、とんでもないことだ。
この記事の末尾では、このように書かれている。
<企業の決算では、グループ全体の業績を示す連結決算が主流となっている。連結決算ならば、グループ内の一部の企業に損失を隠すなどして、業績をごまかすことができないからだ。
国もこの手法を導入し、省庁ごとに一般会計と特会をあわせて複雑な資金の流れを整理し、資産と負債の状況などをはっきりさせることにした。一般会計では予算をつけにくい案件を特会に回して、財政融資資金で手当てする「特会とばし」「財政融資とばし」や、民間からの借り入れによって不足を手当てする「隠れ借金」などをあぶり出す狙いがある。2005年度決算の連結財務諸表ができるのはまだ先だが、ずさんな実態が明らかになれば、予算編成作業にも反映できる。
新手法は、財務省だけが予算削減を求めるのではなく、情報を透明化して、各省庁に自己改革を促す手法をとっている。財務省は「情報が明らかになれば、中途半端な改革案は世論の集中砲火をあびる」(財務省幹部)と、国民が無駄遣いを許さないよう監視の目を光らせることで、新手法が改革の突破口となることを期待している>。
企業の連結決算と同様に、情報開示の方向で進みつつあるが、やはり企業の不正会計と同じようなことがおこなわれている、ということのようだ。国民に税負担を強いる前に、ここをクリアにすべきなのは当然だろう。
不正会計があれば、民間企業でさえ裁きを受ける。それでも、民間企業は自分で稼いでいるのだ。これが国レベルでおこなわれ、税金がつぎ込まれているのだとすれば、信じがたい話だ。