2005.10.31
パブリック空間が開放され、マスメディアの危機が訪れている
パブリック空間、グループ空間、プライベート空間」で、3種類の情報空間について書いた。

インターネットが出てくる前は、このなかのパブリック空間にあたる部分に、ふつうの個人が入り込むことはむずかしかった。多数に向けて情報を発信する安価な方法がなかったからだ。

つまりパブリック空間は、テレビやラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアが「占拠」する領域だった。

情報発信にお金がかかり、マスメディアしかパブリック空間に入り込めないとなると、そこは多かれ少なかれ、「資本の論理」で動くことになる。資本がメディアを「乗っ取る」のだ。マスメディアは有用な情報や娯楽も提供してきたと同時に、「資本の自己増殖ツール」でありつづけてきたことも確かだろう。

これがネット、ウェブ、ブログの登場により、流れが変わってきた。
その気があれば誰でもブログを持ち、パブリック空間に情報を発信できるようになった。

まさに「パブリック空間の開放」だ。
いまや、マスメディアの特権性は崩壊しつつある。

はてなブックマーク」や、「feed meterのブログランキング」などを見てみればいい。マスメディアも個人ブログも横並びで評価された結果、マスメディアがほとんど見当たらないほど、その存在感は薄くなっている。

これらの人気ランキングの母集団が偏っており、「特殊な集団」であると指摘することはカンタンだ。しかし逆にいえば、世間一般の平均的なランキングよりも、先進的なユーザが集まっているぶん、こちらのほうが「未来を先取りしている」とも言えないだろうか。ブログ自体、最初は一部の先進的ユーザしかやっていなかったのだ。

マスメディアは、大きな危機にさらされていることを認識したほうがいい。
それは「ネット財閥」に買収されるといった危機よりも、かなり根本的なものだ。
ブログはいまのところ文字メディアだが、音声や映像のブログも目の前に迫っている。

そして、ブロガーはこの調子でどんどん書きまくればいい。

ニートなどと呼ばれて肩身の狭い思いをしている人も、ブログでガンガン書き、情報を発信していればいい。
そのうち「逆転」できるだろう。これからは「ブログが履歴書」だ。