2006.01.22
パーソナルネット
会社用に「イントラネット」があるのだから、
自分用に「パーソナルネット」があってもいいのではないだろうか。

Ajax以降、従来のデスクトップアプリをWebアプリで実現するという流れが強まっているが、
自分のデータをネット上に流すのは、セキュリティ的にも、パフォーマンス的にも、何か違うという気がする。
「自分のデータ」は、やはり自分の手元にあるのが自然だ。

パーソナルネットは、いわばパーソナルコンピュータの役割を、ネットワークにしたものだ。
ネット上でサービスとして公開されているWebアプリと同じものを、
自分のネットワーク上に、自分専用に置く。
ブログやWiki、ブックマークシステムなどのWebアプリを、すべて自分用として使うのだ。
その中のコンテンツから、公開したいものを選んで、公開用システムにもパブリッシングできるような感じ。

ワープロやブックマークなどがWebアプリ化する流れは、これからますます強まるだろう。
PCにアプリをインストールする必要がなく、ブラウザだけで使える手軽さは、確かに捨てがたい。
しかし、プライベートなデータをネット上に流し、遠くのサーバと通信しながら操作するのは、
やはり一時的な姿に過ぎないように思う。
また、ネット上にある同一のWebアプリを大人数で同時に使うかたちは、サーバ側の負荷もきつい。

なんといっても、「データが大事」なのだ。
データがネットをまたいでアプリのほうに寄っていくのではなく、
アプリのほうを「配布」して、データは手元に置いておく、というほうがやはり自然だ。

だから今後は、デスクトップアプリのWeb化は進行しつつも、
それを配布して、自分で動かしてもらうという従来的な方法への回帰が出てくると思う。
そうすれば、プライベートなデータをネットに流す必要がなく、自分の手元に置いておける。

つまり、従来はパーソナルコンピュータにデスクトップアプリを入れて使っていたが、
これがパーソナルネットにWebアプリを入れて使う、という図式に変わっていくと思う。

またパーソナルネットはWeb系のサーバ群から構成されるので、P2P的なこともやりやすそうだし、
イントラネット上やインターネット上のサーバとの連携などもしやすそうだ。
Web技術ということで、コンテンツ・デザイン・テクノロジーの分離もしやすく、
要素技術や部品などを共有できる部分が増えて、それぞれの発展が加速しそうだ。

いわば「パーソナルコンピュータの次」に、「パーソナルネット」が来るんじゃないかと思う。