2006.01.23
ライブドアは虚業だったかもしれないが、私たちが見たものは夢ではなかった
ホリエモンこと、ライブドアの堀江貴文社長逮捕。
「ライブドア・ショック」から1週間ほどの、思ったよりも早い展開だった。
ライブドアという会社はまだあるが、今日が「ライブドア最後の日」になるのだろう。

ライブドアは一線を超えてしまったようだが、
それでも、見習うべき点のほうが多いユニークな会社だったと思う。
そのチャレンジャーぶりと動きの早さは、天下一品だった(パクリの早さも天下一品だったが)。
マスコミでは手のひらを返したようにライブドア全否定の様相だが、
買収や時価総額まで、すべてを否定するのも逆におかしな話だ。
いいところは学んで、悪いところは反面教師にすればいい。

未来を作る若者たちは、ライブドアやホリエモンから多くのことを学んだと思う。
私自身も、フジ・ライブドア騒動などのおかげで、ビジネスや金融などについて学んだり、考えたりした。
ライブドアの大暴れによって、日本の立ち遅れていた部分がいろいろ浮き彫りになった。
東証も、ケツに火をつけてくれたライブドアに感謝すべきだろう。

西武が1980年代の日本にカルチャーを作ったように、
ライブドアも、2000年代の日本にひとつのカルチャーを作ったと思う。
経済犯罪という結末に終わったとしても、その貢献は残る。
カルチャーが人を育て、そこで育った人が次のカルチャーを作っていく。

ライブドアとオウムの類似を語る意見もあるようだが、
図式的には似た部分があるとしても、ライブドアはしょせん経済犯罪だ。
人命をおびやかすテロと、カネの話では、天地の開きがある。
人の命はひとつしかない貴重なもので、死んでしまったら元に戻らない。
カネは余っているくらいで、どこにでも同じものがあるし、消えることもない。

ライブドアの「錬金術」は面白かったし、それで世の中が動くのを私たちは目撃した。
その社長が「ホリエモン」という尊大なキャラとして、テレビに出てくるのも面白かった。
ライブドアは虚業だったかもしれないが、私たちが見たものは夢ではなかった。

しかしそんなホリエモンも、もう以前のようにマスコミに出てくることはないだろう。
ライブドアのショーは終わったのだ。

関連エントリ :
ライブドアよりショック
http://mojix.org/2006/01/18/183946