2006.01.28
Tim Bray 「もうXML言語を開発するな」 と、それに対するUche Ogbujiの反応
少し前に一部で話題になっていた、Tim Brayのこのエントリ。

ongoing - Don’t Invent XML Languages
http://www.tbray.org/ongoing/When/200x/2006/01/08/No-New-XML-Languages

これについて何か書きたいな…と少し思っていたのだが、これを先日コメントをいただいたSatoshi Tanabeさんが、なんと全文、日本語に訳してくださっているのを見つけた。

satolog - もう XML 言語を開発するな
http://po3a.blogspot.com/2006/01/xml.html

<XML の X は「拡張可能(Extensible)」という意味だ。自分の問題に応じて自分の XML 言語を開発できることをウリにしている。でも、僕は過去 2 、3 年の経験から、そうすべきではないことを悟った>

という出だしで始まる、議論を呼びそうな面白い記事だ。これが全部日本語で読めるのはありがたい。

この中でTim Brayは、XMLベースの言語として、以下のものを<The Big Five>(5大主力言語)としている。

1. XHTMLとMicroformats
2. DocBook
3. ODF
4. UBL
5. ATOM

そして、<XHTML、DocBook、ODF、UBL、Atom の 5 大主力言語を使ってやりたいことをできないと確信が持てるまで、自分の言語を作ろうと考えることすらしちゃいけない>と書いている。

この記事に対し、やはりXMLの専門家であるUche Ogbujiが反応した。

Copia - Learn how to invent XML languages, then do so
http://copia.ogbuji.net/blog/2006-01-12/Learn_how_

Ucheは、Tim Brayの結論自体には基本的に反対だが、XMLの言語設計や、それによって運ばれる意味の問題などについて考えさせてくれるものには賛成だ、といった内容で書き始めている。

まずTim Brayの挙げた5つはやや偏っているとして、Uche自身が書いたdeveloperworksの記事(2004年)を引きながら、自分が重要と考えるXML言語として以下のものを挙げている。

* XHTML
* Docbook
* XSL-FO
* SVG
* VoiceXML
* MathML
* SMIL
* RDF
* XML Topic Maps

これにATOM、ODF、XBELを加えてもよいとし、またこれらを含む包括的なリストとして、自身の以下の記事を示している。

developerWorks XML - A survey of XML standards: Part 4
http://www-128.ibm.com/developerworks/xml/library/x-stand4/
(これはPart 1Part 2Part 3(これが先の記事)のまとめになっているもので、資料価値が高そうだ)

このあと、上記のTim Brayへの他の人の反応や、XML言語の設計に関する重要なエントリなどを引きながら、議論が続いていく。

XML言語に関する有益なエントリが多数紹介されていたり、主要なXML言語のリストを眺めておくだけでも役に立つ、有益なやりとりになっている。
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