2008.03.24
フィードをアイテム単位に区切れば、セマンティック・ウェブが一気に現実化する
ブログを更新すると、トップページに最新エントリが出てくる。
これは、ブログのトップページが一種の「一覧ページ」だからだ。
一覧ページのURLは変わらずに、その中身が変わっていく。

これに対して、ブログの1つのエントリを表示する「個別ページ」は、基本的に中身が変わらない。
1つのエントリに対して固有のページが割り当てられ、そのURLが「パーマネントリンク」になる。

この2種類のページ、「一覧ページ」と「個別ページ」は役割が違う。
「一覧ページ」はフォルダのようなもので、「個別ページ」はファイルのようなものだ。
フォルダにファイルが追加されるように、「一覧ページ」に「個別ページ」が追加される。

「フィード」とは、この2種類のページのうち、前者の「一覧ページ」をソフトウェア向けにしたものだ。
Webページは人間が見るために作られているが、フィードはソフトウェア向けに作られている。
フィードのおかげで、いちいちサイトを見に行かなくても更新を知ることができ、また更新内容も知ることができる。

しかし、いまのフィードは「一覧ページ」にあたる機能しかない。
そこには最新の10件とか20件の内容しか含まれていない上に、個別エントリごとのURLもない。
これは大きな片手落ちだと思うのだ。

もしフィードにも「個別ページ」があったら、つまりフィードのアイテムごとに区切ったものが固有のURLを持ち、人間用のWebページと対になるかたちでXMLページがあったら、Webを激変させるのではないか。

現在はこの「フィードのアイテムごとのXMLページ」がないために、フィードサービスは個別エントリの情報を自前で保持している。かつ、過去のエントリについてはフィードがないので、そもそもエントリの情報が取れない。

問題はブログやフィードだけではない。

結局、いまのWebページはほとんどすべて人間用にできているために、本来のコンテンツそのものと、メニューやナビゲーション要素などをソフトウェア的に識別する方法がない。

それゆえ、Googleなどのサーチエンジンはその人間用のページに対して検索せざるをえず、検索の精度がいちじるしく落ちている。この低い検索精度のために、人類全体が損をしている。

「フィードのアイテムごとのXMLページ」を作るということは、「すべてのWebページに対して、そのコンテンツ部分を切り出したXMLページも置く」という方向に大きく進むことになる。こうなれば、サーチエンジンはそのXMLページに対して検索すればいいので、検索の精度が劇的に向上する。ここまでくれば、意味ベースの本格的なセマンティック・ウェブもすぐそこだ。

こんな夢のような話が、「フィードのアイテムごとのXMLページ」を作るだけで、一気に現実に近づくと思う。