2009.11.08
TO図 中世ヨーロッパの世界地図
ウィキペディア - TO図
http://ja.wikipedia.org/wiki/TO%E5%9B%B3

<TO図とは、中世ヨーロッパにおいて描かれた世界地図をいう>。

<円盤状に描かれた大陸は、T字に3つに区切られている。上側がアジア、右下側がアフリカ、左下側がヨーロッパを表しており、それらを区切るTは地中海である>。



ウィキペディア - マッパ・ムンディ #TO図
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E..

<TO図(または三地域構成マップ‐Tripartite maps)は中世ヨーロッパ人が認識していた居住可能な区域のみを概説した地図である。TO図は、O字型の海洋に囲まれた円形の陸地がT字型の海峡で分断された構成をしており、3つの陸地はそれぞれアジア・アフリカ・ヨーロッパを示している。中心にエルサレムがあり、方角はほとんどの場合上側が東を指す>。



「TO図」は、中世ヨーロッパの世界地図(マッパ・ムンディ)の一種。上の解説にあるように、「アジア」「ヨーロッパ」「アフリカ」を世界の3つの陸地として、アジアを上にしてT字型に分割されるように書いたもの。

いまの世界地図に比べると正確ではないが、一瞬で把握できて、明らかに覚えやすい。このように、いまの知識から見ると間違っていたり、バカげていたとしても、見方によってはいまよりも優れている知識や方法が、昔はたくさんあったのではないだろうか。昔は「記憶術」なども重要なスキルだったと聞くし、こういう「理解」「把握」「記憶」のための工夫が、おそらくいまよりもはるかに重視され、追求されていたような気がする。

以前「ウィキペディアの日本関連ページを見てガイジンの気持ちになる」というエントリでとりあげた山手線の図は、このTO図に通じるものがある。



実際の山手線は決して円形や正八角形ではないが、「山手線はだいたい円形で、新宿と東京がほぼ反対側にあり、それを中央線が結んでいる」といった大雑把な把握だけでも、東京の鉄道路線をまったく知らない人にとってはきわめて有用な知識になる。

こういう「完全に正確ではないけれども、すごくわかりやすい」もの、「大雑把だが、一気に全体像を見せてくれる」ようなものが、私は大好きなのだ。


関連エントリ:
セス・ゴーディン 『2種類の書き方』
http://mojix.org/2006/01/13/075239
ウィキペディアの日本関連ページを見てガイジンの気持ちになる
http://mojix.org/2006/01/10/230617
「間違っているけどわかりやすい」 vs 「正しいけどわかりにくい」
http://mojix.org/2005/09/10/161919