2009.11.18
Boris Achour 前衛的なお笑いはアートと区別がつかない
最近アートばかり紹介しているが、これは特にいいので、アートに興味ない人もぜひ見てみてほしい。このBoris Achourというアーティストはすごい才能だ。

Boris Achour - Conatus: Night of the Dancer, 2009, 4'10", HD
http://borisachour.net/index.php?page=conatus-le-danseur

光る「かぶりもの」を頭部につけたタップダンサーが、誰もいない夜の展示室で、美術作品のあいだをタップダンスしながら移動する。



いわゆるパフォーマンスアートに属するアート作品だが、単純に笑える。お笑いが好きな人ならば、「前衛的なお笑い」として見れると思う。



私は日本のお笑いに詳しいわけではないが、例えば松本人志とか世界のナベアツなどには、アート的なものを感じる。お笑いを前衛化していくと、おそらくアートと区別がつかなくなるだろう。

特にパフォーマンス系のアートには、笑えるものが多い。これまで紹介したものでは、例えばToby Huddlestoneの「通勤の人に混じって歩く」作品などは「デイリーポータルZ」に近いものがあるし、Bas Jan Aderの「落ちる」パフォーマンスなども、いわば身体を張った一発芸である。

パフォーマンスアートは笑えるものばかりではなく、シリアスなもの、見ていてツライものもある。私は笑えるものが好きで、特にこのBoris Achourの作品は、ダダに通じる爽快感があり、すごく好きなタイプだ。

頭部が光るタップダンサーが、誰もいない夜の展示室でタップしている。その「無意味な組み合わせ」が生み出す光景、夜の展示室にひびきわたるタップの音が、面白いのだ。


ネタ元:
VVORK - “Conatus: Night of the Dancer”, 2009 by Boris Achour. Video.
http://www.vvork.com/?p=17826

関連エントリ:
Eric Testroete 『Papercraft Self Portrait』(2009)
http://mojix.org/2009/11/05/testroete_papercraft
世界のナベアツと『GOLDEN LUCKY』
http://mojix.org/2008/04/27/nabeatsu_golden_lucky