2010.01.15
こんにゃくゼリーの事故対策に税金はいくらかかっているのか
asahi.com - こんにゃくゼリー「事故頻度、アメと同等」 食品安全委(2010年1月13日20時54分)
http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201001130387.html

<食品の窒息事故の危険性を議論している食品安全委員会のワーキンググループが13日開かれ、子どもや高齢者の死亡事故が相次ぐこんにゃく入りゼリーの窒息死亡事故の確率について、餅に次いで「アメと同程度の事故頻度がある」とする推測値を初めて公表した。
 一口あたりの事故頻度を摂取量などに応じて、食品ごとに試算。こんにゃく入りゼリーについては、その生産量と、内閣府が把握する死亡事故数をもとに試算した。
 その結果、1億人が一口食べたと仮定して最大で0.33人が窒息死の危険性がある計算になった。また、別の試算による事故頻度の推計では、こんにゃく入り以外も含めたゼリー全体の摂食量などから最大で5.9人となった。
 他の食品の試算では、事故頻度が高い順に、いずれも最大で餅7.6人▽アメ2.7人▽パン0.25人▽肉類0.15人などとなった。こんにゃく入りゼリーの事故頻度は、二つの試算から、餅とパンの間にあり、アメと同程度ということになった。
 同委は、今回の試算を踏まえ、こんにゃく入りゼリーを含めた窒息事故を引き起こす食品について事故防止策の提言などをまとめることにしている。内閣府によると、こんにゃく入りゼリーが原因の窒息死亡事故は過去13年間に22件報告されている。(小林未来)>

こんにゃくゼリーに限らず、リスクがゼロのものなどない。街を歩くのだってリスクだ。リスクを知りつつ、それをすることの便益とリスクを計りながら、人間は行動している。

こんにゃくゼリーの事故リスクは、アメと同等で、餅よりリスクが低いという。そのこんにゃくゼリーの事故対策に、人件費も含めた総額で、税金はいくらかかっているのだろうか。これまでにいくらかかり、これからはいくらかかるのだろうか。この税金の金額を国民が知れば、「じゃあそんな対策は要らないよ」と言うのではないだろうか。これも「事業仕分け」すべきじゃないだろうか。

家電量販店で買い物をすると、「3%の追加で保証が3年延長になりますが、どうしますか?」といったことを訊かれる。私はいつも断っている。その保証に製品価格の3%の価値はないと判断するからだ。

政府のこんにゃくゼリー事故対策は、この家電量販店の保証と似ている。違うのは、断れないことと、それにいくらかかっているのかがわからないことだ。こんにゃくゼリー事故対策に限らず、政府の事業というのはすべてそうである。


関連エントリ:
事業仕分けは人間がやるべきものではなく、「市場」がやるべきもの
http://mojix.org/2009/11/29/shiwake_by_market
「小さな政府」の考え方
http://mojix.org/2009/07/28/small_gov_thought