2010.02.25
さいたま市市議会議員・吉田一郎氏による「やっぱり大宮市民の会」「大宮市亡命市役所」
ウィキペディア - 大宮市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AE%AE%E5%B8%82

<大宮市(おおみやし)は、1940年から2001年まで、埼玉県南部に存在していた都市(行政)。旧北足立郡。
2001年5月1日に、浦和市、与野市と合併し、さいたま市の一部となった。2003年4月1日、同市の政令指定都市移行により、旧市域は大宮区、西区、北区、見沼区の4つの行政区に分割された>。

この合併に反対し、今でも大宮市の再分離・独立を求めて、「やっぱり大宮市民の会」「大宮市亡命市役所」などの活動をおこなっている吉田一郎という人の存在を知った。

ウィキペディア - 吉田一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89..

<吉田 一郎(よしだ いちろう、1963年11月3日 ‐ )は、埼玉県さいたま市の市議会議員でジャーナリストである。現さいたま市から旧大宮市の再分離・独立を主張している>。

<2007年4月8日実施の埼玉県さいたま市市議選で北区選挙区から初当選した。三市合併によるさいたま市の誕生に一貫して反対し、大宮の自治と独立をスローガンに活動している。旧浦和市長でもあった相川宗一前さいたま市長に対しては浦和優先・大宮冷遇との批判を続けていた>。

<2009年に就任した清水勇人現さいたま市長に対しても、「大宮軽視」と批判し、旧大宮市の「地域主権の確立」を要求している>。

大宮市亡命市役所
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/3440/



やっぱり大宮市民の会
さいたま市議会議員(北区・無所属) 吉田一郎
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

サイトを見るとわかるが、吉田一郎氏はいわゆる普通の市議会議員という感じではなく、かなり有能かつユニークな人だ。ウィキペディアの説明にも「ジャーナリスト」とあるとおり、『世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏』、『国マニア―世界の珍国、奇妙な地域へ!』などの著書もあり、世界の小国や独立運動などに詳しい専門家である(参考:「世界飛び地領土研究会」、「野次馬的アジア研究中心」)。もともとはジャーナリストで小国やアジアの専門家だった人が、大宮市の合併反対・分離独立の運動にかかわって、2007年に市議会議員に当選した、という経緯のようだ。

サイトには面白いコンテンツが満載なのだが、とりあえずぜひ見て欲しいのが、YouTubeにあるこの動画だ。

YouTube - 旧大宮市の分離独立は可能!さいたま市議会で答弁
http://www.youtube.com/watch?v=BVtndJYcUyo



さいたま市議会で、「大宮市の分離独立は可能か」「可能ならばどういう手続きになるか」を吉田氏が質問したものだ。市議会でこんなブッ飛んだ質問が出ることはおそらく異例だろう。独立の法的な手順について、きちんと答弁もされている。市議会のマジメなやりとりなのに、内容がブッ飛んでいるので、どこか現実離れした面白さがある。

YouTubeの「keropero888さんのチャンネル」では、他にも「トイレへ行くたびに腹が立つ!さいたま市議会」、「盆栽美術館の建設を中止して、枯れた盆栽はミイラのように」など、吉田氏による熱い質問の動画がたくさん集められている。

そもそも吉田氏が市議会議員に当選したのも、吉田氏に共感し、大宮市の再分離・独立を願う旧・大宮市民が一定数いるからだろう。「大宮市亡命市役所」サイトによると、いろいろな面で浦和市が優遇されていて、大宮市は冷遇されているとのこと。私は事情を知らないので判断できる立場にないが、もともと別の市だったものが合併するわけだから、キリン・サントリーの話にも似て、力関係や資源配分でモメることは大いにありそうだ。

きのう書いた「北海道独立論」のように、都道府県や地方が独立して「国」になる、という話だと大ごとになるが、「市町村の独立」くらいであれば、それなりに現実的なレベルの話かもしれない。私は大宮市には特に思い入れがないので、あくまでも中立的な立場のつもりだが、「市町村の独立」の試みとして、大宮市独立は応援したい気がする。道州制や地方分権の方向に日本が進んでいくのであれば、これがひとつのロールモデル、良いケーススタディになるかもしれない。


関連エントリ:
北海道独立論
http://mojix.org/2010/02/24/hokkaido_dokuritsu