2010.06.09
菅直人新内閣発足 菅首相「最小不幸社会に」 仙谷官房長官「若さ、清新、仕事大好き内閣」
8日、菅直人新内閣が発足。菅首相は就任会見をおこなった。

asahi.com - 「最小不幸社会に」「財政立て直す」―菅首相、初の会見(2010年6月8日21時55分)
http://www.asahi.com/politics/update/0608/TKY201006080313.html



<民主党と国民新党による菅連立内閣が8日、正式に発足した。菅直人首相は就任会見で、経済、財政、社会保障を立て直して「最小不幸社会」を目指す考えを明らかにした。7月の参院選の勝敗ラインについては、6年前に獲得した「50議席」とする考えを表明。これを達成したうえで、9月の民主党代表選で再選を果たせるかどうかが、政権の行方を決める>。

<菅首相は「政治の役割は、貧困や戦争など国民や世界の人が不幸になる要素をいかに少なくしていくかだ」と意気込みを語った>。

<そのうえで「財政の立て直しが経済成長の必須の要件」と強調。将来の消費税率の引き上げを念頭に「自民党など野党でも共通の危機感を持っている方もいる。党派を超えた議論をする必要がある」と述べ、各党で構成する協議機関などの場で、野党に話し合いを呼びかける方針を示した>。

asahi.com - 菅内閣、閣僚名簿を発表 郵政は「今国会成立を期す」(2010年6月8日13時29分)
http://www.asahi.com/politics/update/0608/TKY201006080170.html

<菅直人新内閣で官房長官に就任する仙谷由人衆院議員が8日午後、新閣僚の名簿を発表した。同日夜、皇居で認証式を行い、正式に発足する。菅氏は午前の民主党役員会で、新執行部メンバーに対し「当面の問題は、国会対応と参院選をいかに勝ち抜くかにかかっている。先頭に立って走り抜きたい」と決意を語った>。

<菅新首相は8日午後、連立を組む国民新党の亀井静香代表と首相官邸で会談し、政権運営への協力を要請。国会審議中の郵政改革法案について、「今国会での成立を期す」ことで合意した>。

<その後、仙谷氏が記者会見で、閣僚名簿を発表した。行政刷新相に「事業仕分け」で活躍した蓮舫参院議員、国家戦略相に菅氏側近の荒井聰衆院議員、党政策調査会長を兼務する公務員制度改革担当相に玄葉光一郎衆院議員を起用。財務相には野田佳彦衆院議員、農林水産相には山田正彦衆院議員が、それぞれ副大臣から昇格した。一方で、11閣僚が再任された。仙谷氏は顔ぶれについて「若さ、清新、仕事大好き内閣」と述べた>。



新入閣・新任は以下の7名。

総理 菅直人
官房 仙谷由人
国家戦略相 荒井聰
財務相 野田佳彦
公務員制度改革 玄葉光一郎
行政刷新相 蓮舫
農林水産相 山田正彦

他11名は鳩山内閣の再任。

せっかく首相が交代し、新内閣になっても、国民新党との連立を崩すことができず、さっそく郵政法案を通すらしいのがまず残念だ。

鳩山・小沢のツートップが退いたが、亀井氏という「ラスト・モンスター」はまだ居座っている。これがやはり、まずは菅内閣の最大のリスク要因になると思う。どう見ても「反改革」の亀井氏をどのくらい抑えられるかが課題だろう。

亀井氏や再任の閣僚を除けば、市民運動出身の庶民派である菅氏と、「反小沢」で「政策通」の前原・野田グループが手を組んだ内閣、という印象だ。成長と財政再建のバランスをどう取るのか、行革と現実主義のバランスをどう取るのか、ひとまず見守りたい。

参院選向けの「選挙内閣」であることは誰が見ても明らかだが、動機やきっかけが何であっても、いい政治をしてくれるならそれでいい。菅内閣は少なくとも、鳩山内閣発足時のような「政権交代」の高揚感はないかわりに、9か月の経験を積んできている。その違いはかなり大きいと思う。


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