2011.04.23
「認証」という言葉はわかりにくいので、「本人判定」にしてはどうか
会員制のウェブサイトなどにログインするとき、ログインidとパスワードを入れる。ここでは、「正しいパスワードを入れられる」ということが、本人であるという証明と見なされるわけだ。

この「本人であるかどうか判定する」というプロセスのことを、ITの世界では「認証(authentication)」と呼ぶ。

しかしこの「認証」という言葉は、どうもわかりにくいと思う。英語の「authentication」であれば、「authentic(本物である)」という形容詞との類推もあり、比較的わかりやすい。しかし日本語の「認証」は、どうも抽象的な感じで、イメージがわいてこない。

ウィキペディア - 認証
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E8%A8%BC

<認証(にんしょう)とは、何かによって、対象の正当性を確認する行為を指す>。

<認証行為は認証対象よって分類され、認証対象が人間である場合には相手認証(本人認証)、メッセージである場合にはメッセージ認証、時刻の場合には時刻認証と呼ぶ。 単に認証と言った場合には相手認証を指す場合が多い>。

ウィキペディアの「認証」を見てみると、英語の「Authentication」よりも広い概念で、「Certification」も含む、といった説明がある。「認証」という言葉が意味する範囲が広すぎるのも、わかりにくい原因のひとつかもしれない。

少なくとも、ネットにおける本人判定という文脈では、「認証」をやめて、例えば「本人判定」にしてはどうだろうか。4文字になってしまうし、少しカッコ悪いかもしれないが、それが何を意味しているのか、断然わかりやすくなる。

言葉の役割は、それによって意味したい内容を、できるだけ正確に伝達することだろう。よって、何を意味しているのかわかりにくい言葉は、その役割をじゅうぶんに果たしていない。「認証」よりも「本人判定」のほうが、その役割をよりよく果たせるように思う。


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