2011.07.29
「売れてます!」は最高の売り文句
コンビニなどの店の商品棚で、「売れてます!」というPOPをよく見かける。

同じカテゴリの商品が何種類かあって、その中に「売れてます!」とついているものがあったら、それを選んでみたくなるのが人間だろう。ひねくれ者であれば、わざとそれを避けるかもしれないが(私はどちらかというとこのタイプ)。

「売れてます」というのが最高の売り文句である、という説を聞いたことがあるが、特に日本人の場合、これはいっそう効果的だろう。日本人に何かをさせたい場合、「みんなやってますよ」と言うのが最も効果的だという話は、国民性をネタにしたジョークなどでも出てくる。

「売れてます!」というのは、ほんとうに売れているならその通りである。もし、たいして売れていなくても、ちょっとは売れているのだから、「売れてます!」と書いてもウソではないとも言える。そして、「売れてます!」と書いておけば、それによっておそらく売れてくるだろうから、いずれほんとうに「売れてます!」が実現されるのだ。まるで「自己成就予言」である。

「売れてます!」と書いてあるところに、別の文句を入れてみたらどうだろう。例えば「おいしい!」はどうか。「おいしい!」と書かれても、むしろシラケる感じがしないだろうか。あるいは「安い!」はどうか。安いほうがいいことは間違いないが、あまり「安い!」と強調されても、何か安っぽい気がして、やっぱりシラケる気がする。

その点、「売れてます!」というのは、中身については何も語っていないのに、シラケることもなく、いいイメージをキープできる。「売れてます」というのが最高の売り文句であるという説は、やはり正しそうだ。