2012.07.09
バブルより不況のほうがおもしろい
こんなことを言うと叱られそうだが、バブルより不況のほうがおもしろいと思う。

バブルになると、不動産をはじめ、なんでも値上がりする。好況による活気はあるが、「カネがカネを生む」ようになり、安易な金儲けがしやすくなるので、中身のないものが幅を利かせはじめる。

いっぽう、いまの日本のような不況だと、どこも苦しいかわりに、なんでも安い。特に、家賃が安いのが大きい。いまは渋谷のように人気のある街でも、家賃がかなり安くなっていて、かつ物件の空きが多い。これは、あらたにビジネスやお店をはじめようとする人にはチャンスである。

不況だと、バブルのときのような安易な金儲けはむずかしいので、中身のあるビジネスや、実力のある起業家がむしろ育ちやすい。

私は1980年代~90年代初頭のバブルをギリギリ知っている世代だが、その頃よりも、いまの日本のほうが、はるかにおもしろいと思う。いまは不況でなんでも安い上に、やはりネットがあるのが大きい。

昔の日本は、安定はあったかもしれないが、カネやコネがないと何もできず、起業するのもむずかしかった。いまの日本は、明るい未来は見えないものの、むしろ変化とチャンスに満ちている。

人間もそうだが、慢心しているよりも、不安なくらいのほうが、成長できると思うのだ。