2012.08.14
これが「青田刈り」だ
「青田刈り」という語をときどき見かける。これは単に「青田買い」の誤用かと思っていたのだが、「青田刈り」という語もあるらしい。

語源由来辞典 - 青田刈り
http://gogen-allguide.com/a/aotagari.html

<青田刈りは、稲が実らないうちから刈り取ることが原義。
「青田買い」と混同した誤用から、優秀な人材を早期に確保する意味となった。
また、戦国時代の軍事戦法用語では、籠城する敵地の青田を刈り取り、兵糧不足にして敵の動揺を誘う戦法を「青田刈り」とも言うが、早期内定を意味する「青田刈り」の語源とは直接結びつかない>。

コトバンク - 青田刈り
http://kotobank.jp/word/%E9%9D%92..

<企業が、翌年卒業予定の学生の採用をかなり早い時期に決定することを、稲の実りがまだはっきりと分からない時期に買うことにたとえて「青田買い」という。これを「青田刈り」というのは、厳密には誤用である。ただし、かなり定着しつつある表現で、国語辞典に「青田買い」と同じ意味として登録されている場合もある>。

つまり、「青田刈り」は語源的には誤用だが、かなり定着しているので、「青田買い」と同じ意味(人材の早期確保)になる、ということらしい。

これを調べていて、埼玉県加須市(かぞし)のサイトに、本当の「青田刈り」をやっている写真を見つけた。

加須市 - わら細工の原料となる稲の青田刈りが行われました
http://www.city.kazo.lg.jp/hp/page000009500/hpg000009465.htm

<8月4日、加須市串作地内で、加須わら細工保存会(松本勝男会長)の皆さんにより、わら細工の原料となる稲を青いうちに刈る青田刈りが行われました>。



<加須わら細工保存会は、原料を自前で確保するため、皆さんが力を合わせて、わら細工の稲も栽培していて、乾燥したわらに青みが残るよう、稲が青いうちに刈り取りました>。



<猛暑の中、加須わら細工保存会の皆さんが力を合わせて青田刈りを行いました>。

わら細工を作るとき、乾燥したわらに青みが残るよう、意図的に青い段階で刈ることがあるようだ。

埼玉県加須市(かぞし)は、こいのぼりの生産が日本一で、加須(かぞ)うどんの街でもあるとのこと。


関連:
加須市
http://www.city.kazo.lg.jp/

関連エントリ:
「的を得た」は間違いではなかった?「得る」には「当たる」の意味がある
http://mojix.org/2009/06/17/matowo_eta
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