2012.09.01
数学的帰納法は「帰納」でなく「演繹」である
ウィキペディア - 帰納
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B0%E7%B4%8D

<帰納(きのう、英: Induction、希: επαγωγή(エパゴーゲー))とは、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする推論方法のこと。対義語は演繹。演繹においては前提が真であれば結論も必然的に真であるが、帰納においては前提が真であるからといって結論が真であることは保証されない>。

<なお数学的帰納法は、名前と違い帰納ではなく演繹である>。

ウィキペディア - 数学的帰納法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0..

<数学的帰納法(すうがくてききのうほう、mathematical induction)は、自然数に関する命題を証明するための数学の論法の一つである。自然数 n に関する条件 P(n) がすべての自然数 n に対して成り立つことを、次のような手順で証明する方法をいう>。

<なお、数学的「帰納法」という名前がつけられているが、数学的帰納法を用いた証明は帰納法ではなく演繹法である。先に述べた 2. により次々と命題の正しさが"伝播"されていき、すべての自然数に対して命題が証明されていく様子が帰納のように見えるためこのような名前がつけられたにすぎない>。

数学的帰納法は、「帰納」でなく「演繹」である。まったくその通りだ。

数学的帰納法は、たしか高校1年くらいで習ったと思う。この数学的帰納法が、多くの人にとって、「帰納」という概念との初めての出会いでもあるだろう。ところが数学的帰納法は「帰納」ではない、というのだから、なんとも不幸な出会い(?)である。


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