2040年には75%が自動運転、免許さえ不要に
WIRED.jp - 「2040年には75%が自動運転、免許さえ不要に」:IEEE発表(2012年9月20日)
http://wired.jp/2012/09/20/ieee-autonomous-2040/
<自動運転車が普通の自動車とならんで一般道を行き来する日が、さらに近付いている>。
<例えば、GMのキャデラック部門では、2015年までに半自動運転車の大規模生産に乗り出す計画で、全自動運転車に関しても2020年までに実現できると見ている。また、アウディやBMWでも自動運転車の開発が進んでいる。スタンフォード大学と共同で開発を進めているアウディは、アウディTTをベースにした自動運転車で「パイクスピーク」という米国のレースにも参戦している。いっぽう、グーグルもトヨタのプリウスをベースにした全自動運転車の開発を進めている。このプリウスの累計走行距離は 30万マイル(約48万km)を超えている。グーグルは同時に、自動運転車の合法化に向けたロビー活動も進めており、ネバダ州ではすでに合法化を実現、さらにカリフォルニア州でも、まもなく実現する見通し。同社は全米での合法化を目指して、ワシントンDCの連邦議会にも積極的に働きかけを行っている>。
<そうしたなか、米国電気電子学会(The Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)は先ごろ、2040年までに一般道を走行する自動車の75%が自動運転車になるとの予想を発表。さらにIEEEは、21世紀半ばに自動運転車が標準的なものとなるなかで、インフラや社会、人々の関心がどのように変化するかも予想している。この予想によると、高度に発展した自動運転車の普及で、道路標識や信号、さらには自動車免許さえなくなってしまう可能性があるという>。
米国電気電子学会(IEEE)の予想では、2040年までに、一般道を走行する自動車の75%が自動運転車になるとのこと。
ロボットが運転する自動運転車は、もちろん興味深い。しかし、ロボットが運転したとしても、うしろに生身の人間が座っている限り、「運転の自動化」でしかない。私の意見では、単なる「運転の自動化」よりも、
- 完全な無人車(人間を載せないで、荷物などを運ぶ)
- 無人車専用の道路
のほうが、むしろ優先すべきテーマではないかと思う。ロボットが運転するかどうかより、「人間が乗っているのかどうか」が重要なファクターだと思うのだ。
人間が乗っていると、クルマの物理的制約(大きさ、かたち)や、安全性の制約が大きいため、コストがまったく違ってくる。もし人間が乗っておらず、荷物しかないのであれば、物理的制約も、安全性の制約もはるかに小さくなる。
この話は以前、「クルマの未来は「ロボットカー」にある」というエントリで書いたことがある。
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car
<いまの自動車は必ず人間が運転するので、1人でたくさんの自動車を保有したり、扱うということに限界がある。また人間が運転するということから、物理的な大きさや安全性の面で強い制約があり、これによって製造コストや保有コストがはねあがっている>。
<自動車が「無人化」し、完全に人間と切り離されれば、これらの限界・制約がなくなる。小さく、安くなった「自動車」であれば、1人で10台、100台くらい買うことも容易になるし、物流業などのビジネスであれば、数万台、数十万台くらいのオーダーで買うのも普通になるかもしれない>。
<いま道路を走っているクルマのうち、運送を目的としたトラックなどは、この無人自動車に切り替えられるだろう。もし現状でクルマ全体の半分くらいが物流なのだとすれば、道路全体の半分くらいを無人自動車の専用道路にすれば、さらに効率が上がりそうだ。無人自動車の専用道路では、信号などにコンピュータを埋め込んで、無人自動車に対して場所を通知したり、突発的なイベントに対応した停止命令などを無線で送れるようにする>。
人間を載せない完全な無人車は、一般道を走るのではなく、いっそのこと「無人車の専用道路」をつくったほうがいい。こうすれば、その道路には人間をのせた一般車は走っていないので、仕組みやルールの柔軟性が大きく高まる。
運送・物流のクルマの大半がこの「無人専用道」に移れば、一般道の交通量はおそらく、いまの半分以下になるだろう。
ロボットを使って無人化するなら、完全無人車、そして無人車専用道路と、完全に人間をなくす方向のほうがいいと思う。人間の生命はかけがえのないものなので、安全性のコストはきわめて高い。よって徹底的に無人化したほうが、イノベーションを進めやすい。
関連エントリ:
「超小型車」とは何か
http://mojix.org/2012/07/31/choukogatasha
地下を走る無人の自動物流
http://mojix.org/2009/06/27/underground_auto_butsuryuu
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car
http://wired.jp/2012/09/20/ieee-autonomous-2040/
<自動運転車が普通の自動車とならんで一般道を行き来する日が、さらに近付いている>。
<例えば、GMのキャデラック部門では、2015年までに半自動運転車の大規模生産に乗り出す計画で、全自動運転車に関しても2020年までに実現できると見ている。また、アウディやBMWでも自動運転車の開発が進んでいる。スタンフォード大学と共同で開発を進めているアウディは、アウディTTをベースにした自動運転車で「パイクスピーク」という米国のレースにも参戦している。いっぽう、グーグルもトヨタのプリウスをベースにした全自動運転車の開発を進めている。このプリウスの累計走行距離は 30万マイル(約48万km)を超えている。グーグルは同時に、自動運転車の合法化に向けたロビー活動も進めており、ネバダ州ではすでに合法化を実現、さらにカリフォルニア州でも、まもなく実現する見通し。同社は全米での合法化を目指して、ワシントンDCの連邦議会にも積極的に働きかけを行っている>。
<そうしたなか、米国電気電子学会(The Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)は先ごろ、2040年までに一般道を走行する自動車の75%が自動運転車になるとの予想を発表。さらにIEEEは、21世紀半ばに自動運転車が標準的なものとなるなかで、インフラや社会、人々の関心がどのように変化するかも予想している。この予想によると、高度に発展した自動運転車の普及で、道路標識や信号、さらには自動車免許さえなくなってしまう可能性があるという>。
米国電気電子学会(IEEE)の予想では、2040年までに、一般道を走行する自動車の75%が自動運転車になるとのこと。
ロボットが運転する自動運転車は、もちろん興味深い。しかし、ロボットが運転したとしても、うしろに生身の人間が座っている限り、「運転の自動化」でしかない。私の意見では、単なる「運転の自動化」よりも、
- 完全な無人車(人間を載せないで、荷物などを運ぶ)
- 無人車専用の道路
のほうが、むしろ優先すべきテーマではないかと思う。ロボットが運転するかどうかより、「人間が乗っているのかどうか」が重要なファクターだと思うのだ。
人間が乗っていると、クルマの物理的制約(大きさ、かたち)や、安全性の制約が大きいため、コストがまったく違ってくる。もし人間が乗っておらず、荷物しかないのであれば、物理的制約も、安全性の制約もはるかに小さくなる。
この話は以前、「クルマの未来は「ロボットカー」にある」というエントリで書いたことがある。
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car
<いまの自動車は必ず人間が運転するので、1人でたくさんの自動車を保有したり、扱うということに限界がある。また人間が運転するということから、物理的な大きさや安全性の面で強い制約があり、これによって製造コストや保有コストがはねあがっている>。
<自動車が「無人化」し、完全に人間と切り離されれば、これらの限界・制約がなくなる。小さく、安くなった「自動車」であれば、1人で10台、100台くらい買うことも容易になるし、物流業などのビジネスであれば、数万台、数十万台くらいのオーダーで買うのも普通になるかもしれない>。
<いま道路を走っているクルマのうち、運送を目的としたトラックなどは、この無人自動車に切り替えられるだろう。もし現状でクルマ全体の半分くらいが物流なのだとすれば、道路全体の半分くらいを無人自動車の専用道路にすれば、さらに効率が上がりそうだ。無人自動車の専用道路では、信号などにコンピュータを埋め込んで、無人自動車に対して場所を通知したり、突発的なイベントに対応した停止命令などを無線で送れるようにする>。
人間を載せない完全な無人車は、一般道を走るのではなく、いっそのこと「無人車の専用道路」をつくったほうがいい。こうすれば、その道路には人間をのせた一般車は走っていないので、仕組みやルールの柔軟性が大きく高まる。
運送・物流のクルマの大半がこの「無人専用道」に移れば、一般道の交通量はおそらく、いまの半分以下になるだろう。
ロボットを使って無人化するなら、完全無人車、そして無人車専用道路と、完全に人間をなくす方向のほうがいいと思う。人間の生命はかけがえのないものなので、安全性のコストはきわめて高い。よって徹底的に無人化したほうが、イノベーションを進めやすい。
関連エントリ:
「超小型車」とは何か
http://mojix.org/2012/07/31/choukogatasha
地下を走る無人の自動物流
http://mojix.org/2009/06/27/underground_auto_butsuryuu
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car