2012.10.08
ファイルシステムのないPC
はじめてiPadを使ったとき、ファイルシステムがないことに驚いた。

もちろん、内部的にはファイルシステムがあるはずだが、隠蔽(いんぺい)されていて、ユーザからは直接さわれないようになっている。

ホーム画面には、ただアプリのアイコンだけが並んでいる。そのどれかをタップすると、そのアプリが動く。ホームボタンを押すと、ホーム画面にもどる。なんと、それだけだ。

アプリの「終了」がないのも驚いた。ホームボタンを押すことで、アプリの終了も兼ねている。表面にあるボタンは唯一、ホームボタンだけ。アプリには「終了」らしきものがないのだから、アプリから抜けるには、ホームボタンを押すしかない。

要するに、ホームにいるか、どれかのアプリを使っているかの、2状態しかないのだ。これなら、PCが苦手な人でも、誰でもわかるだろう。

このようなiPadやiPhone(つまりiOS)のノリに慣れると、普通のPCはいかにも複雑だと思えてくる。PCを複雑にしている要因はいろいろありそうだが、やはり「ファイルシステム」が大きいのではないか。

いまのPCは、ファイルシステムを自由に使わせて、「ファイルをどこに置くか」をユーザにいちいち考えさせている。このため、ファイルの置き場所や命名に頭を悩ませることになり、さらにファイルを探すときにも一苦労する。

もうPCでも、専門家ではない一般人向けには、iPadやiPhoneのようにファイルシステムを隠蔽する方式でいいのではないか。アップルは今後、「iOSを積んだノートPC」をきっと出してくると思う。

iPadはわかりやすくていいのだが、やはり仕事で使ったり、たくさん入力する場合は、タブレットよりもノートPCのほうが使いやすい。「iOSを積んだノートPC」が出てくれば、それこそ「ファイルシステムのないPC」であり、多くの人が求める「わかりやすいPC」を具現化したものになるような気がする。


関連エントリ:
ファイル名はなくてもいいかもしれない
http://mojix.org/2005/12/12/223718