2012.12.16
ネットにはまだまだ「インデックス」が足りない
初期のYahoo!は、有用なサイトへのリンクを階層型に分類した、ディレクトリサービスだった。ディレクトリサービスは、ネット全体に対するいわば「インデックス(索引)」である。

しかし、ネットにある無数のサイトから、有用なものを人間が拾い出し、人間が階層に分類するというのは、限界がある。そこで、ディレクトリサービスに変わって出てきたのがサーチエンジンであり、その王座についたのがGoogleだった。サーチエンジンも、ネット全体に対する「インデックス」と言える。サーチエンジンは、ネット上にあるページを(ソフトウェアの)ロボットで収集し、その内容を解析して、「インデックス」を自動的に作っている。

「インデックス」を自動作成するサーチエンジンが普及したいっぽうで、人間が手作りで「インデックス」を作るアプローチも滅びていない。はてなブックマークや、数ある個人の「ニュースサイト」などでは、人間が手動でリンクを収集している。有用なリンク、おもしろいリンクを集める人にはファンがつき、かなりのアクセスを集める。音楽でいうDJのようなものだろう。

ネットには無数のサイトがあるが、自分が知っているサイトはほんの一握りであり、自分が知らないサイトは、「インデックス」を通じて辿りつくしかない。そう考えると、ネットの広大さに対して、ネットの「インデックス」的な役割のサイトは、まだまだ少ないように思う。「インデックス」的なサイトが人気を集めるのは、それが多くの人に求められている割に、その数がまだ少なくて、希少だからだろう。

私は1996年にコンピュータを買い、ネットに接続した。それからの16年間、おそらくほぼ毎日、ネットを見てきたと思う。それでも、ほぼ毎日、いくつか知らないサイトに出会うのだ。あたらしいサイトもどんどん増えているのだから、当然かもしれないが、なかなかすごいことだという気もする。


関連エントリ:
なぜネットではディレクトリが敗れ、サーチとタグが勝利するのか
http://mojix.org/2005/12/18/102729