2012.12.21
海外経験が多い人の日本批判に耳を貸すべき
海外経験が多い人や、海外在住の人が、日本のダメなところを批判しているのをよく見かける。海外をよく知っている人から見ると、日本のダメなところがよく目につくのだろう。こういう意見はとても貴重であり、ちゃんと耳を貸すべきだと思う。

こういう意見に対して、上から目線だとか、日本には日本のやり方がある、といった反論をしばしば見かけるが、こんなことを言っていたら、日本は1ミリも成長できないだろう。

以前「「日本が好きなガイジン」の視点を生かす」というエントリを書いたことがある。

<「日本が好きなガイジン」は、基本的には日本を愛していて、日本の長所もわかっているので、いたずらに日本全部を否定するという乱暴さがない。それでいて、ガイジンとしての客観的な視点、世界的な視野を保持しているから、日本にとってかけがえのない、ありがたい存在だろう>(「日本が好きなガイジン」の視点を生かす)。

海外経験が多い人や、海外在住の人は、立場としては「日本が好きなガイジン」とちょうど反対である。まず日本を知っていて、そこに海外での知見が加わっている。よって、日本のダメなところが目につきやすい。特に海外在住の人の場合、海外在住の立場から、日本を批判することになる。これが、感情的反発を受けやすい理由だろう。

しかし、日本をよく知っていて、そこに海外の知見が加わっているからこそ、日本のダメなところが浮き彫りになるはずだ。それで何か言いたくなるのだろう。中にはピント外れな意見もあるかもしれないが、この立場からの見方には、真実が含まれている率が高いと思う。

すぐれた会社は、客からのクレームや要望を受け止めて、それをビジネスに生かしているだろう。なかにはクレーマーもいるし、ピント外れな意見もあるだろうから、すべての声を聞く必要はない。しかし、良い意見や、参考になる意見もたくさんあるだろう。それを吸収してビジネスに生かせるかどうかで、大きな差がつくものと思う。

「良薬は口に苦し」ということわざもある通り、ほんとうに役立つ意見は、しばしばきびしいものだ。きびしい意見だから、役に立つとは限らない。よくわかっていない人が、ただ罵倒していることはよくある。しかし、役立つ意見は、しばしばきびしいものだと思う。


関連エントリ:
シリコンバレーに「ひらがな論者」あらわる
http://mojix.org/2009/05/11/sv_hiragana
「日本が好きなガイジン」の視点を生かす
http://mojix.org/2008/12/13/gaijin_shiten_for_japan
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