2013.01.17
坂本龍一は昔、レゲエが大嫌いだった 「ドミソとレファラだけ延々10分くらいやってる音楽」
ほぼ日刊イトイ新聞 -矢野顕子について、坂本龍一くんと話そう。第6回(2006/11/21)
http://www.1101.com/kyoju/06.html

糸井重里と坂本龍一が、矢野顕子について語った連載(2006年)の第6回。後半で出てくる、坂本龍一は昔、レゲエが大嫌いだったという話がおもしろい。

<レゲエを好きになるのに2年くらいかかってるんですよね、僕ね>。

<最初はもう、嫌いでしょうがなかった。こんなアホな音楽あるか? と。冗談じゃないって感じで(笑)。最初に聴いたときに>。

<こんなものをね、ありがたく取り上げてる音楽雑誌とかさ、もうたまんないと思ってたんですよ。もう許せなかったのね。でも、なんとか好きになろうと努力したんだよね(笑)>。

<何かあると思って。で、2年くらい毎日のように聴き続けて、やっと2年目くらいにして、表面的にはさ、ドミソとレファラしか使ってない音楽なんだけど、その奥にちょっと立体的なね、幾何学的なおもしろい世界が‥‥>

<見えてきた。ああ、そうなのか、こっちでやってんだなって>。

<だって、系統から見たらさ、ドミソとレファラだけ延々10分くらいやってる音楽だよ!でもね、よく聴いたら、そのむこうに立体的な色んな図柄があって、そっちを楽しんでるってことがわかったわけ。ある日>。

「ドミソとレファラだけ延々10分くらいやってる音楽」という表現はおもしろい。これはレゲエだけでなく、その後のヒップホップ、ハウス、テクノなどにも、おおむねあてはまりそうだ。

こうした音楽は、メロディやハーモニーは比較的単純でも、リズムや音色、サンプリングの使い方などに工夫が凝らされている。「立体的な色んな図柄があって、そっちを楽しんでる」わけだ。

レゲエは一見すると土着的で、ヤンキーが盆踊りするための音楽、みたいなところもある。しかし同時に、ヒップホップ以降の革新をいちはやく先取りした音楽、という側面もあり、その両面性がユニークだと思う。


関連:
ウィキペディア - レゲエ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC..

関連エントリ:
音楽は進化しているのか、退化しているのか
http://mojix.org/2012/07/29/ongaku-shinka