2013.01.29
こだわりが人生の進路を決めていく
先日の「やさしい人は、期待値が低い」には、大きな反響があった。

反響の大きさにも驚いたが、これの前半の<やさしい人は、人間や物事に対する期待値が低い>という部分に対して、「これはまさに自分だ」といった反応が多かったことにも驚いた。

いっぽうで、後半の<きびしい人は、人間や物事に対する期待値が高い>という部分に対しては、自分がそうだという反応はほとんど見かけなかった。むしろ、世の中のそういう人を批判する意見のほうが多いようだった。

この「やさしい人は、期待値が低い」では、どちらのタイプの人間がいいとは書いていないし、実際、私はどちらがいいとも思っていない。現実には、このどちらか一方だけという人はほとんどおらず、たいていの人は、自分のなかに両方のタイプを兼ね備えているのだと思う。

<人間や物事に対する期待値が低い>と自覚している人でも、自分の趣味や、自分の好きな分野では、きっとこだわりがあるはずだ。自分がこだわっている分野では、つまらないもの、ダメなものに満足できず、それにきびしい判断を下すだろう。このこだわりがあるからこそ、その分野に詳しくなったり、上達していくのだ。ダメなものに満足していたら、上達するはずがない。

昨日の「何をやりたいかよりも、何をやりたくないかのほうが、キャリアを左右するかもしれない」も、仕事やキャリアに対するこだわりの話だと捉えることもできる。何をやりたいか、何が好きかというのもこだわりだし、何をやりたくないか、何が嫌いかというのもこだわりである。

こだわりには、いい面もあるし、悪い面もある。いずれにせよ、誰もが自分なりのこだわりをいろいろと持っていて、良くも悪くも、それに突き動かされているのだと思う。こだわりが、人生の進路を決めていくのだ。


関連エントリ:
何をやりたいかよりも、何をやりたくないかのほうが、キャリアを左右するかもしれない
http://mojix.org/2013/01/28/yaritakunai
やさしい人は、期待値が低い
http://mojix.org/2013/01/24/yasashii-kitaichi
こだわりがもたらす苦しみ
http://mojix.org/2008/09/23/kodawari_kurushimi