2013.03.15
Google Readerが7月1日で終了 これがフィードの「終わりの始まり」かも
ITmediaニュース - 「Google Reader」終了 7月1日に ユーザー減少で(2013年03月14日 09時12分)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/14/news035.html

<米Googleは3月13日、RSSリーダー「Google Reader」(日本語表記はGoogleリーダー)を7月1日に廃止すると発表した。利用が減ったことと、より絞り込んだ商品に集中していくことを理由にあげている>。

フィードリーダーでは最も人気のある「Google Reader」が、7月1日で終了とのこと。愛用していたユーザを中心に、大きな反響が起きている。

ITmediaニュース - Google Readerはなぜ終了? 元責任者が理由を推測(2013年03月14日 17時48分)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/14/news092.html

<「売り上げとコストの問題とは無関係だ」──米GoogleがRSSリーダー「Google Reader」を7月1日で終了すると発表したことについて、Google Readerの元プロダクトマネージャーが米Q&AサイトのQuoraで理由を推測している。彼は、GoogleがGoogle+へ注力するために2011年秋に実施したGoogle Readerのリニューアルが影響したとみている>。

Google Readerの元プロダクトマネージャーだったブライアン・シー(Brian Shih)氏は、GoogleはGoogle+へ注力するために、これまでもGoogle Readerチームの人材を社内的に引き抜いており、機能も減らしてきた、といったことを述べている。シー氏から見ると、今回の終了は突然ではなく、必然の流れと見えていたようだ。

そういったGoogle社内の動き、事業の選択による結果が、終了につながったという側面はもちろん大きいだろう。しかし同時に、フィードというメディア・技術の地位が低下しつつあり、よってフィードリーダーに対する需要も少なくなっている、という外部要因も大きいと思う。フィードの地位が下がり、フィードリーダーに対する需要が低下したからこそ、Googleはそのように舵を切ってきた、とも言える。

フィードはもともと、ややマニアックな位置にあり、ネットにあるていど詳しい人が、ユーザの大半だったと思う。そこへ、ツイッターやフェイスブックが出てきて、ものすごい勢いで普及した。自分でブログをやっているくらいの人でも、ツイッターやフェイスブックに軸足を移した人が少なくない。フィードの地位が低下したのは、ツイッターやフェイスブックが大きく普及して、「フィードがなくてもなんとかなる」ようになったからだろう。

TechCrunch Japan - Google Reader終了 ― 結局のところ「RSS」は一般の人が必要とする情報収集手段ではなかった(2013年3月14日)
http://jp.techcrunch.com/2013/03/14/20130313google-readers-death-is-proof-that-rss-always-suffered-from-lack-of-consumer-appeal/

<RSSというのは、結局のところ「一般のインターネット利用者」に普及するところまではいかなかったと言えるのだろう。もちろん「インターネットからできる限り多くの情報を取得したい」と考える「ギーク」の人たちは別だ>。

<RSS自体が、目に見えないもので機能する、おたくっぽいものだったのだ。そして、一般の人にとっては、メリットがいまひとつわかりにくい存在でもあったようだ>。

RSS・フィードというものは、結局のところギーク向けで、オタクっぽい存在だったのだと、この記事は述べている。私も、おおむねそうだろうと思う。いまや、ツイッターやフェイスブックなら、誰でもやっている。しかし、フィードリーダーを使っているという人は、ITに詳しい人や、年季の入ったネットユーザくらいのものだろう。

Google Readerが消えるということは、フィードというメディア・技術そのものも、これから衰退に向かうかもしれない。これが、フィードの「終わりの始まり」かもしれないのだ。

ツイッターやフェイスブックに押されて地位が低下しただけでなく、フィードという技術、仕様そのものも、やや古くなってしまった。複数のRSS仕様や、ATOM仕様が並びたち、統一されていない。フィードはXMLベースだが、いまやWeb APIはJSONが標準である。フィードはXMLベースの柔軟性ゆえに、表示情報を含んだHTMLが押し込められることが多い。これは設計的に見苦しいし、データの再利用性を低めている(かくいう私も、当ブログのフィードではHTML埋め込みをやっている。現状ではこうするしかない)。

いまのフィード仕様そのままでなくても、フィード的な技術は必要なので、完全に消えてしまうことはないだろう。しばらくは下降局面に入って、そのうち、よりあたらしく、時流にのった有力な仕様が出てきて、いまのフィードを置き換えていく。おそらく、そんなふうになるのではないかと思う。


関連:
ウィキペディア - フィード
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%89
ウィキペディア - RSS
http://ja.wikipedia.org/wiki/RSS
ウィキペディア - Atom
http://ja.wikipedia.org/wiki/Atom