2013.05.28
プログラマは35歳が限界どころか、死ぬまで上達しつづけるのでは
「プログラマ35歳限界説」というのがあるが、これは大ウソだと思う。

歳をとっていけば、もちろん体力は落ちる。だんだん無理が効かなくなる。

また、日本の会社組織では、歳をとると管理職にさせられたりして、ずっとプログラマでいるのがむずかしい、みたいなのはあるだろう。

しかし、本質的なスキル、技術力という意味では、プログラマは35歳が限界どころか、むしろ死ぬまで上達しつづけるのではないか。

世界的に活躍しているプログラマは、もちろん若い人もいるが、むしろ40代、50代のオッサンのほうが多い印象がある。

プログラマというのは、一種の物書きに近い。作家やライターでは、35歳限界説なんて聞いたことがないし、むしろ大半が35歳以上だろう。プログラマも同じで、35歳が限界どころか、むしろ歳をとるにつれて、うまくなっていくと思う。

プログラミングがうまくなるには、ひたすらコードを書くという実践をくりかえすしかない。これは、ライティングとまったく同じだ。ひたすら書くことでしかうまくならないから、たくさん訓練をつんだ人のほうが、うまくなる。たくさん訓練をつんだ人のほうがうまくなるのだから、訓練をつみながら歳をとった人のほうが、うまくなるのは当然だろう。

スポーツ選手とか、身体を使う仕事であれば、スキルに占める身体能力の割合が大きい。よって、歳をとって身体能力が低下すれば、それは結果に直結してくるだろう。

しかし、プログラマや物書きの場合、体力ももちろん重要だが、身体能力はそれほどスキルと関係ない。歳をとって体力が落ちたとしても、ちゃんと訓練をつづけていれば、体力の低下をおぎなってあまりあるほど、スキルが上がっていく。プログラミングというのは「体力勝負」の世界ではないからだ。

「プログラマ35歳限界説」というのは、単に正しくないだけでなく、プログラミングとはどういう活動なのか、根本的に理解していないことを示していると思う。それはちょうど、人をたくさん投入すればするほど仕事は早くすすむ、といった「人月の神話」的な誤解と同じようなものだろう。


関連エントリ:
プログラマというのは物書きである
http://mojix.org/2010/03/16/programmer_monokaki
プログラミングは「設計」である
http://mojix.org/2008/07/11/programming_is_design