2004.07.21
SONY HISTORY
PICSY BLOG : SONY HISTORY
http://blog.picsy.org/archives/000130.html

<SONY HISTORYというSONY公式の社史ページがある。小学校のころはこういう話をむさぼるようによく読んだんだけど、久しぶりに面白くて読んでしまった。特に最初のころ、テープレコーダーを作ったんだけど売れなくて売れなくて試行錯誤するところが面白い>。

SONYのサイトに、こんなページがあったとは知らなかった。

SONY HISTORY:第1部 第3章 第1話 テープレコーダーに惚れた男
http://www.sony.co.jp/Fun/SH/1-3/h1.html

読んでみたら、これがもう面白くてたまらない。

当時のソニーは、「東京通信工業」という社名。これが「東通工」と略されているのだが、この「東通工」という言葉の響きとか、添えられている昔の白黒写真、「できるまで帰って来るな」「溝を掘って水を流せ」といったタイトルなど、いまのソニーからすると垢抜けない雰囲気ながらも、何かを立ち上げる人たちのホンモノの情熱が伝わってきて、感動してしまう。

<こんなのマーケターにいわせれば当たり前だろうと言われてしまうのだろうが、当たり前のことを体で覚えていくのが人生ってもんだ>、<あのSONYが、というのは陳腐だが、初期のSONYの真っ直ぐさというか馬鹿っぽさに涙がでる>とPICSYの鈴木さんは書いているが、まったく同感だ。

自力で何かを立ちあげる人というのは、多かれ少なかれドン・キホーテ的な「馬鹿」なのだと思う。ただ決めつけてわかった気になっているのと、実践プロセスを経て自分の身体で学んでいくのとでは、途方もない開きがある

「やってみる」こと、「跳ぶ」ことができるためには、ヘタな小賢しさや計算高さは、むしろジャマになる。「馬鹿」になってこそ、跳べるのだ。

いまのソニーも素晴らしい会社だと思うが、私はむしろ、「東通工」のような会社で働きたいと思う。あるいは、「東通工」のような会社を自分で作れれば、なお素晴らしい

こういう話になると、私はいつもJamie Zawinskiの「Resignation and Postmortem辞職そして追悼。)」を思い出す。

<ぼくたちの業界では、人を二種類に分けることができる。一方は、会社を成功させたいために働きたい人。他方は、成功した会社で働きたい人だ。 Netscape の早期の成功と急速な成長により、ぼくたちには前者の人がこなくなり、後者の人ばかりが集まりだした>。

Netscapeを成功に導いた主要メンバーの1人であるJamie Zawinskiは、その2種類のうち、言うまでもなく前者のタイプである。そして「東通工」の面々、のちの世界企業ソニーを生み出したメンバーたちもそうだ。

そして私ももちろん、前者のタイプでありたいと思っている。バリューを享受する以上に、バリューを作り出すような生き方をしたい。