2005.08.09
iTMS-J、4日で100万曲販売突破 - 買っている人は、「何に」お金を払っているんだろうか
あちこちで報じられているように、先日から日本でも開始されたアップルの音楽ダウンロード販売「iTMS-J」(日本版iTunes Music Store)が、4日で100万曲販売を突破したとのこと。

ITmedia : iTMS-J、わずか4日で100万曲販売突破
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0508/08/news007.html

CNET Japan : 日本版iTunes Music Store、サービス開始から4日で100万曲販売
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20086200,00.htm

これはたしかに、すごいというしかない。

CNET Japan : アイチューンズ社長、iTMSは「リアル店舗にも負けない」と強気
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20086222,00.htm

<これは「世界のiTMSの中でも異例の早さ」と、米Apple Computerのアプリケーション担当バイスプレジデントで、先日日本で設立されたアイチューンズの代表取締役を務めるエディー・キュー氏は言う>。

とのことで、強気になるのも当然だろう。

しかし私はどうも、150円払って「曲を買う」というのが、ピンとこないのだ。

いまはサービスが始まったばかりなので、過渡期なのかもしれないが、これに1曲150円払う人というのは、

1) 文字通り、曲という単位で「音楽」を買っている

2) すぐ入手して聴けるという「利便性」を買っている

の、どちらなんだろうか?

私の感覚では、1)というよりも2)だ。考え方が古いのかもしれないが、曲のデジタルデータだけ入手しても、レコード屋での試聴やCDレンタルの延長のような感じで、「そこで終わる」最終プロダクトとはちょっと考えられない。

曲のダウンロードをいっそ無料にしてはどうか」というのも、そのつもりで書いている。このエントリにkohさんがつけてくれたコメントによれば、USでは音楽配信は有償なプロモーションだという考え方が定着し始めていて、CDの売り上げも上がってきている、とのこと(これに関するURLなどありましたら、ぜひ教えてください>kohさん)。

そう、音楽レーベル側からいえば「有償なプロモーション」であり(だからいっそ無料にしたほうがいいと思うわけだが)、リスナーからいえば「ちょっと聴ける利便性を買う」、という感じだ。

私は「アルバム派」なので、そもそも「曲」という単位で音楽作品を考えていない、というのもあるかもしれない。気に入った音楽は、アルバムで買うまでは、「入手した」感じがしないのだ。