2005.08.16
書籍をスキャン、公開する流れは止まらない
CNET Japan : グーグル、書籍デジタル化プロジェクトの一時中止を決定
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20086399,00.htm

<Googleは米国時間11日、著作権が保護されている図書館の書物をスキャンしてデータベース化する取り組みを、一時的に中止する予定であることを発表した。
 2004年12月に始まったこのLibrary Projectは、絶版となった著作権物をスキャンし、Googleの検索エンジンデータベースに登録して検索可能とするもの。Googleは、スタンフォード大学やハーバード大学といった複数の大学の図書館と協力して、プロジェクトを進めている。
 同プロジェクトに対しては、出版社を含む一部の組織から、Googleが行おうとしていることは著作権の侵害だとする批判が出ていた。
 米国時間11日、Googleは同社のブログで、「出版社、出版業界団体および著者」と協議した結果、11月に「Google Print Publisher Program」を変更するまでの間は、著作権物のスキャンを見合わせることにしたと述べた。>

これは図書館の絶版書籍が対象のようだが、Amazonの「Search Inside the Book」と同様、なんにせよ、地球上のあらゆる書籍をスキャンし、ネットにのせるという流れは今後も止まらないだろう。

よほどのベストセラー以外、書籍の売上げなんてタカが知れているから、中身をネットに載せてしまってリーチを拡大したほうが(例えば100倍)、ビジネスとしても成功すると思う。

音楽もそうだが、本のような情報複製型の商品は、たくさん「立ち読み」させたほうが儲かるという意味で、顧客とベンダーがWin-Win型になる。

タダで見せることによるデメリット(タダで見れたおかげで買わなくなるという機会損失)よりも、タダで見せたことによるメリット(見たことにより欲しくなって買うという機会発生)のほうが、10~100倍くらい大きいはずだ。

それでも公開しないことを選ぶ出版社や著者もいるだろうが、大半のところが公開してしまえば、淘汰されてしまうだろう。

本に関しては、かつてナップスターがやったようなことを、AmazonやGoogleが先導しているようなものだ。

現在の音楽ダウンロードのように、完全無料ではなく小額の課金ということになるかもしれないが、そこまで来ればプライシング(値付け)やビジネスモデルの話であり、「のせる」という方向が正しいことは間違いないだろう(そしてそうなれば、遅かれ早かれ無料になる、というのが私の考えだ)。

いずれ、あらゆる情報がデジタル化される。
本というのは、その一部を紙に刷って綴じたものにすぎない。