2009.01.10
「規制脳」が止まらない 今度は製造業への派遣禁止か
毎日jp - 民主・菅氏:製造業への派遣禁止視野に法案
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090109k0000m010092000c.html

<民主党の菅直人代表代行は8日の記者会見で、04年に解禁された製造業への労働者派遣について、再度の禁止も視野に入れた再規制を柱とする労働者派遣法改正案を、09年度予算成立後をめどに社民党などと共同で提出する考えを明らかにした>。

<菅氏は「(民主党は)これまで製造業への派遣禁止まで踏み込んでいなかったが、踏み込むことを含めて(社民党と)共通案を目指すことになった」と明言。製造業への派遣が可能なままの政府提出の派遣法改正案を「極めて部分的な改正」と批判し、対案となる改正案の提出へ向け他の野党との協議を急ぐ考えを示した>。

規制脳」が止まらない。今度は製造業への派遣禁止か。

こんなことをしたら、

1) いま製造業派遣の人の雇用がなくなる

というだけでなく、

2) 製造業に限らず、今後派遣禁止の範囲が拡大していくことを予想させる

ので、企業は派遣を使うこと自体、控えはじめるのではないか。派遣を使うとしても量を減らしたり、その業務内容をさらに薄くして、依存度を減らそうとする。経営者であればそう考えると思う。

記事によると製造業の派遣は現在45、6万人だそうだが、この2)の効果によって、影響は派遣全体にまで及ぶはずだ。派遣全体とすれば、その数倍の規模だろう。

こうやって雇用を規制すればするほど、企業の雇用コストは上がるので、企業は雇用しなくなり、失業者は増える。これは経済の法則だ。雇用コストの上昇は、原材料コストの上昇と同様に経営を圧迫し、企業の倒産も増えるから、さらに失業者が増える。

民主党は定額給付金反対にこだわっているようだが、定額給付金はベストな政策でないとしても、それほど有害な政策でもない。むしろ、この製造業派遣禁止こそ最悪の政策であって、失業者をさらに激増させるだろう。民主党にも経済通は多数いるだろうから、これがいかに愚かな政策か、わかっている政治家もいると思うのだが。

いまもっとも緊急に必要なことは、雇用維持・雇用創出だろう。ここで雇用規制を強化するなんて、完全に逆を行っている。雇用が失われれば、どんなバラマキも意味がない。まずは雇用だ。

むしろいまこそ、雇用規制を緩和すべきときだ。日雇いだろうが派遣だろうが何でもOK、最低賃金の縛りもなくし、正社員の減給・解雇もOKにすればいい。みるみるうちに雇用が増えるはずだ。ウソだと思うなら、一回やってみてほしい。エリアを絞った特区などでもいいから、実際にこれをやってみれば、そのことが実証されるだろう。


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