2009.02.12
規制を緩和し、「構造」を変える
うーぱー日記 ( 機関投資家戦略室 ) - 内需拡大、、、、
http://d.hatena.ne.jp/uupa/20090211/1234323649

<規制は、読んで字の如く、経済に対し、ブレーキをかける役割があるから、これをはずせば、内需は拡大する、、、>

まったくその通りだ。

税金のムダ使いはその「悪」がわかりやすいのに比べて、自由な経済活動を停滞させる「規制」のほうは、その悪影響がわかりにくいところがある。

どこかで読んだ話だが、いまは家を建てるにも建築確認に時間がかかりすぎ、そこがボトルネックになっているのだという。いくら住宅ローン減税などをやって「家を建てましょう」とやっても、そこで詰まるのだそうだ。そこで詰まってしまっては、景気対策も意味がなくなってしまう。

こういうことは、建築関係者など現場の人間は痛いほど理解しているのに、規制を作っている人間や、景気対策をやっている人間は、それがどれくらい経済活動に影響を与えているのかをわかっていない。困るのはつねに現場だ。

上のuupaさんのエントリでも、

<例えば、記憶に新しいのは、建築基準法の改悪、、、むしろ、耐震基準を緩和した方が、経済にはいい、、、>

と書かれているが、それがまさにこれだ。大地震が来たら死ぬリスクが多少上がってもいいから、とにかく早く、安く家が必要だ、という人もいるはずなのだ。

宅配業者の代引き規制、ネットで薬を売るなという規制などにしても、すべて同じ話だ。代引きをしたり、ネットで薬を買う消費者は、リスクと利便性を秤(はかり)にかけて、メリットのほうが大きいから、自分の責任でそうするのだ。売る人と買う人が取引に合意しているのに、なぜそこに国が介入するのか。

もちろんリスクはあるのだが、リスクがあるからという理由で最初から禁止してしまえば、何もできなくなる。ネットやケータイで問題が起きたら、ネットもケータイも禁止すればいい、という「禁止脳」の発想だ。すべてを禁止していけば、問題も消えるが、何もできなくなる。「禁止脳」の行き着くところは、行動禁止、存在禁止だろう。

あらかじめ規制してしまって、「自分でリスクをとる」という選択肢を封じてしまうのが日本の特徴だ。どこかで問題が出たり、クレームが来たら、「弱者保護」「消費者保護」の名のもとに規制してしまう。全体の経済効率や利便性は考慮されない。まさに「パターナリズム(温情主義)」であり、「大きなお世話」である。

これほど経済が悪くなれば、税金のムダ使いと同様、パターナリズム的な規制の「悪」が浮き彫りになってくるだろう。むしろ「構造改革」のチャンスかもしれない。