2009.09.15
日本はまだ中学生くらいじゃないだろうか
MSN産経ニュース - 「日本は大人になる憂鬱を味わっているのだ」 村上龍氏が政権交代で米紙に寄稿(2009.9.9 08:30)
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090909/elc0909090830000-n1.htm

<作家の村上龍氏は8日付米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、日本の有権者が政権交代にもかかわらず、喜びを爆発させる様子でもないのは、「政府がすべての問題を解決してくれるわけではないということに気付いた」からだと指摘した上で、「日本はようやく成熟しつつある」と変化を前向きにとらえた>。

<村上氏は、過去の日本では政府があらゆる問題の解決を担ってきたと述べつつ、「今日の政府はもはやすべてを良くするようなカネをもっていない」と分析した>。

<さらに、地滑り的大勝によって民主党が必要なカネを得るわけでもないとした上で、「日本人は政権交代によって生活が改善されると信じるほど幼稚ではない」と述べた>。

<村上氏は、日本人はこうした事情を理解しているからこそ、マスコミで紹介される街角の表情が政権交代にもかかわらずどこか暗い印象を与えるのだとし、「だがそれは日本が衰退のふちにあるということを意味するのではない。単に、子供が大人になろうとするときの憂鬱(ゆううつ)な気持ちを味わっているにすぎないのだ」と、肯定的な評価で結んでいる>。

たしかに日本は政治的に成長しつつあると思う。しかし、まだまだ「大人」という感じはしない。

不満をはっきり態度に出し、「ノー」と言うようにはなったが、問題を引き起こす要因も具体的な解決策も見えておらず、責任を引き受ける力もない。せいぜい、反抗期の中学生くらいじゃないだろうか。

以前より若干マシにはなってきたが、まだまだ「国任せ」の発想、「クニガキチント」から脱却できていない。自由を奪われてもいいから、責任のない「子供でいたい」、という発想がまだまだ多数派だろう。だから政府のパターナリズムも一向になくならない。

「もう自分でできるから、政府は余計なことをするな」というふうに考えるようになったら、そのときこそ「大人になった」と言えるだろう。


関連:
NYTimes.com - Japan Comes of Age By RYU MURAKAMI
http://www.nytimes.com/2009/09/08/opinion/08murakami.html
はてな匿名ダイアリー - 村上龍がNYタイムズに寄稿した文章
http://anond.hatelabo.jp/20090909163340

関連エントリ:
日本の問題は「市場の失敗」でなく「政府の失敗」
http://mojix.org/2009/08/29/nihon_no_mondai
「個人」に責任を帰属させず、「空気」のなかに責任を拡散してしまう日本
http://mojix.org/2009/08/13/kuuki_sekinin