2010.02.03
Flashは生き残れるか
Publickey - Flashは生き残れるか?
http://www.publickey.jp/blog/10/flash_1.html

<Flashは生き残れるのか? 元マイクロソフトのエヴァンジェリストであり米国の著名なブロガーであるRobert Scoble氏は、数年前には非常に多かったInternet Explorer専用のWebサイトが、Firefoxの登場によってWeb標準へと置き換えられていったことなどを例に挙げ、Flashの行く末を不安視しています>。

<また、iPhoneと同様にiPadでもFlashをサポートしなかったアップル。その理由としてスティーブ・ジョブス氏が「アップルが Flash をサポートしないのはFlashがあまりにもバギーだからだ。マックのクラッシュはほとんどの場合Flashのせいだ」と言い切ったことが複数のメディアで伝えられています>。

とても示唆に富む記事。一般ユーザの視点、技術の視点、ビジネスの視点など、いろいろな切り口で考えるべきものを含んでいる。

私は以前、「今後の展開によっては、AppleがAdobeを買収、といった可能性もあるかもしれない」と書いたことがあるが、ジョブズはFlashが好きじゃないらしい(笑)もちろん、バギーだとか好き嫌いだけでなく、「プラットフォーム争奪戦」という観点でのビジネス的な判断もあるだろう。むしろ本音はそちらかもしれない。

記事の最後に、<HTML5の進化やiPhone/iPadがFlashをサポートしないことはアドビにとって残念なことではあっても真の脅威ではない>とあるが、けっこう脅威だろうと私は思う。なぜならば、Flashを作るクリエイターの層と、Macのユーザ層というのはかなり重なっているはずで、Appleが「(iPhone/iPadで)Flashはサポートしない」と明言すれば、少なからずFlash離れの動きが出てくると予想できるからだ。iPhone/iPadのシェアがこれから拡大していけば、Flashがサポートされないことが欠点とは見なされなくなり、それが「あたりまえ」になっていくだろう。

そうでなくても、Flashはそのあまりの強力さゆえに、ウェブサイト全体がひとつのFlashファイルでできている「フルFlash」のサイトを大量発生させてしまった。こういうサイトはほぼ例外なく使いにくいので(特にナビゲーションがひどい)、少なくとも一般人レベルには、潜在的な「Flashへの不満」がけっこうあると思う。Flashを完全になくさないまでも、フルFlashのような硬直的なサイトはHTMLに分解されて、ほんとうに「魅せる」必要がある部分にだけFlashを使うような、穏当なレベルに落ち着くことが求められているように思う。

Flashをサポートしない動きがひろがってくれば、フルFlashの使いにくいサイトは減少に向かい、Flashなしでも見れるようなサイトの作り方が常識化していくのではないか。


関連エントリ:
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