2010.02.04
定年制という「高齢者排除の論理」が要請される理由
時事ドットコム - 定年制は「高齢者排除の論理」=自民執行部に異議-片山氏(2010/01/29-19:07)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010012901034

<「議席激減で党が小さくなったときこそ、老壮青がまとまることが必要で、排除の論理はとるべきではない」。自民党参院選比例代表の「70歳定年制」を理由に、党執行部から公認見送りを伝えられた片山虎之助元総務相(74)は29日付の自身のブログで、納得がいかない心情を吐露した。
 片山氏は「特例で公認が認められるとみられた私も、今年に入って状況が変わるなど翻弄(ほんろう)され続けて、少々疲れた」と本音をぽろり。「わが国には現在、70歳以上の高齢者が2060万人もいて、その代表者がいる方が自然」と谷垣禎一総裁らの判断に異議を唱えた>。

片山氏は「ポジショントークだ」と言われてしまいそうだが、たとえポジショントークであっても、言っている論旨自体は正しいという例になっている。

政治家に限らず、「高齢者だから排除する」という論理は確かにおかしい。年齢に関係なく、あくまでも実力で判断するべきだ。高齢でも有能な人はいるし、若くても無能な人もいる。「無能だからクビ」「結果を出せないからクビ」といった理由ならばむしろフェアだが、「高齢だからクビ」というのでは明らかに年齢差別である。

定年制は、終身雇用・解雇規制と「コインの裏表」の関係にある。途中ではクビを切れないので、年齢によって一律に「終わらせる」しかないのだ。もし定年がなかったら、全員死ぬまで会社に残り、死ぬまで昇給し続けることになってしまい、日本の会社は高給取りの老人だらけになる。終身雇用・解雇規制という不自然な仕組みを無理やり維持するために、定年という乱暴なエンディングが要請されているわけだ。ウソにウソを重ねているようなものだ。

いっぽうで、選出の基準はともかく、谷垣総裁や執行部が自民党の比例公認候補を決めること自体は当然であり、何ら問題ない。片山氏は不満であれば別の党に行くか(転職)、新党でも作るか(起業)、無所属(フリーランス)で戦えばいい。どんなに高齢でも、選挙に出ること自体が禁止されているわけではない。


関連エントリ:
定年制に反対する
http://mojix.org/2009/03/28/anti_teinen