2011.01.13
春山満「人生、いつがいい時代で、いつが悪い時代というのは、自分次第」
asahi.com : 就活朝日 - 「大人を疑え、社会を疑え、常識を疑え」
http://www.asahi.com/job/syuukatu/2012/hint/OSK201101070026.html

<車いすの社長として、世界を舞台に活躍する春山満さん。しかし春山さんの20代前半は、父親の事業の失敗による借金苦、難病の発症と、非常に過酷なものでした。絶体絶命のピンチから、春山さんはどうやってチャンスをつかみとったのでしょうか>。



春山満(はるやま・みつる)氏は1954年生まれ。24歳より進行性筋ジストロフィーを発症、首から下は動かないとのこと。

<就活に限らず、若者に声を大にして言いたいのは「大人や社会や常識に、だまされるな」ということです。就活、婚活、結婚適齢期、アラサー、アラフォー…。いまの社会は、妙に何でもグループ化したがると思いませんか? そしてグループ化された本人も外野も、あれこれ身勝手な分析や評論をして、グループの標準から少しでも外れた人間を批判したり、攻撃したり。僕は、ここに大きな罠があると思っています>。

<例えば「就職氷河期」。新卒の就職が非常に困難だといいますが、本当ですか? メディアも、大卒の求人倍率が0.5倍と大騒ぎしていますが、本当ですか? 実は、0.5倍というのは大企業に限った数字で、日本の全企業の99.7%を占める中小企業の求人倍率は4倍を超えているんです。たいへんな人手不足じゃないですか。それに就職って、バラ色の“就職天国”みたいな時代がありましたか? いつの時代も、仕事に就くのには苦労があるんです。それなのに大変だ、困難だと若者に恐怖心を植えつけ、煽っている。これって、明らかに「恐怖商法」ですよ>。

基本的には、就活生へのこのようなメッセージで構成されたインタビュー記事だ。しかし次のような部分などは、おそらく誰が読んでも心にひびくものがあると思う。

<僕の足になる車いすなのに、試乗のとき、医者も業者も僕に使い心地を尋ねないんですよ。「アホか!」と思うと同時に、福祉や医療・介護の分野に、ものすごいビジネスチャンスがあることに気づいた(笑)。だから、人生、いつがいい時代で、いつが悪い時代というのは、自分次第なんです。難病で首から下が動かなくなり、周囲から「苦難を克服して、よくがんばりましたね」といわれます。でも、僕にしてみれば、ただ、生き抜くために知恵と力をつけてきただけ。もし五体満足だったら、これだけの知恵と力はつかなかったでしょう。僕のモットーは「失くしたものを数えるな、残っている機能を120%活性化すれば絶対に生き残れる」。病気を恨んで、社会を恨んで、被害者意識で生きる人もいるかもしれませんが、僕は、まだ口がある、脳みそがあると思ってやってきました>。

首から下が動かない春山氏がここまでやっているのに、自分はいったい何をチンタラやっているのだろう。そう思わずにはいられない。

「人生、いつがいい時代で、いつが悪い時代というのは、自分次第」というのは、その通りだろう。時代や政治がどのような状況であっても、自分にもっとも影響を与えるものは結局、自分自身の考え方やふるまいなのだ。

「失くしたものを数えるな」というのも、いい言葉だと思う。


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