2011.02.12
田原総一朗「河村・大村コンビの圧勝は中央への反乱だ」
日経BPネット : 田原総一朗の政財界「ここだけの話」 - 河村・大村コンビの圧勝は中央への反乱だ(2011年2月10日)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110209/259748/

<名古屋市長選、愛知県知事選、名古屋市議会の解散の是非を問う住民投票のトリプル投票が2月6日に行われた。河村たかし前市長の率いる勢力が圧勝したが、私はこれを歓迎すべき出来事だと受け止めている>。

<市長選では地域政党「減税日本」代表の河村たかし氏が民主・社民・国民推薦の石田芳弘氏に3倍以上の得票数で再選された。知事選でも「減税日本」の推薦を受けた大村秀章氏が自民党県連推薦の重徳和彦氏に3倍に近い得票数で初当選した。いずれも圧勝である>。

<この選挙では、国会の第一党である民主党の推薦する候補が惨敗。また、第二党の自民党は市長選では独自候補を擁立できず、県知事選では自民党県連が推薦した候補が敗れた。国政の2大政党がそろって地域政党に敗北したのである>。

先日の名古屋でのトリプル選の結果を、「河村・大村コンビの圧勝は中央への反乱だ」とまとめている。

田原氏の記事はいつもわかりやすいが、この記事でのまとめ方はとりわけ的確で、ポイントを突いていると思う。

各ページの小見出しを拾ってみると、こんな感じだ。

1)国政の2大政党がそろって敗北
2)国民は何の見通しもない中央政界にうんざりしている
3)河村氏、橋下氏は「独立国」を目指している
4)東京発の情報は歪んでいて役に立たない
5)地方分権が進まないのはなぜか
6)名古屋現象は「地方の時代」の幕開け

1)が選挙結果のまとめ、2)がその直接的な意味(何も進まない国の政治に国民がうんざりしている)で、ここまでは他の記事でも比較的見かけるものだろう。

3)以降の部分で、田原氏は「独立国」「地方の時代」といった表現を使い、この選挙結果は地方分権に対する国民の声であるという旨の指摘をしている。

<「民主党に大きな期待を持って政権交代を選択したのに、無惨にも日本は何も変わらなかった」と多くの国民は感じている。ならば、「今度は地方からこの国を変えてくれ」と願っているのではないか>。

まったくその通りだと思う。今回の結果の背景に、民主党政権への不満・失望があることは間違いない。しかしそれだけではなく、「国がさっぱり変わらないので、まず自分たちの地方から変えよう」という強い思いがあるように、私も感じる。

4ページには、こんな部分がある。

<最近、私にとって大変面白い現象が起きている。名古屋テレビや北海道テレビといった地方局が「朝まで生テレビ」の地方版を企画し、私を呼んで番組を作っているのである。熊本テレビでも同様の企画が予定されている>。

こういう地方の動きを肌で感じられるのも、「朝まで生テレビ」の顔である田原氏ならではだろう。


関連エントリ:
前大分県知事・平松守彦 地方分権の三本柱は「分権」「分財」「分人」
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