2011.05.12
市の職員は災害時に有給を取ってはいけないのか? モラルとルールは違う
asahi.com - 原発事故、土浦市職員逃げた? 有給取った3人処分(2011年5月10日16時46分)
http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY201105090635.html

<福島第一原発の事故発生後に有給休暇を取って県外に避難したり、震災後に有給のリフレッシュ休暇を取ったりした茨城県土浦市の職員がいたことがわかった。市は、市民生活部の課長補佐ら3人を訓告と厳重注意処分にした>。

<訓告処分を受けたのは主幹(33)。3月16日深夜に妻を連れ、21日まで浜松市内の親類宅に身を寄せた。17日朝に電話で17、18の2日間の休暇を取得。19~21日は土日祝日のため休んだ>。

<19日に元上司が「職員が逃げたとウワサになっている」と電話で帰宅を促したが、聞き入れなかった。市の聴取に対し主幹は「原発事故で妻がパニックになったため」と話したという>。

<厳重注意は、勤続25年に与えられるリフレッシュ休暇を、3月下旬に4、5日間取った48歳と51歳の課長補佐2人。4日間の補佐はうち2日間は大きな余震があって出勤した。2人とも2月に休暇願を出しており、次年度に繰り越せないとわかり、休んだという>。

<9日の記者会見で中川清市長は「市の災害対策本部が震災対応している非常時に、市民の不信と信用失墜を招きかねない」と処分理由を説明した>。

まるで犯罪者扱いだが、これの何が問題なのだろうか。

今回のような災害で、公職の人間が逃げるのは「けしからん」という気持ちはわかる。しかし、休むことがルール違反でないのなら、何も問題ないように思う。緊急時に休まれるとまずいなら、そういうルールをあらかじめ作っておくべきでは。

自主的なモラルに期待するのはいいが、それを強制してはいけない。ましてや、ルールにもとづかない処分はおかしい。

日本は概してモラルが高いのはいいのだが、この「モラルとルールの線引き」があまりできていないところがある。モラルが「暗黙のルール」になってしまい、強制の色合いを帯びやすい。

強制したいのならば事前にルール化すべきだし、ルールになっていないモラルのレベルであれば、強制はできないし、強制してはいけない。