2012.08.11
消費増税法が成立 消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%へ
毎日新聞 - 消費増税法:成立…首相「国民におわび」 民主6人反対(2012年08月10日 21時43分)
http://mainichi.jp/select/news/20120811k0000m010072000c.html


消費増税関連法の成立と韓国の李明博大統領の竹島上陸について、記者会見する野田佳彦首相=首相官邸で2012年8月10日午後6時49分、岩下幸一郎撮影

<消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連8法は10日の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。野田佳彦首相は記者会見の冒頭、09年衆院選の民主党マニフェストに消費増税を明記していなかったことを「深く国民におわびする」と陳謝した。消費増税法は賛成188票、反対49票の大差で可決されたが、民主党の6議員が反対票を投じた。消費税率は現在の5%から14年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げられ、「消費税2ケタ時代」に突入する>。

ついに消費増税法が成立。解散時期をめぐる自民党との駆け引きもあったが、けっきょく成立した。

私は「小さな政府」を支持しているので、基本的には増税に反対である。しかし、どのみち税金を取るのであれば、消費税がいちばんいいと思っている(「消費税を上げて法人税を下げ、再配分は所得税で調整すべし」)。特に日本は、世界的な基準で見ても、所得税・法人税は高いが、消費税は安い。上げる余地があるとすれば、消費税しかない。

<首相の記者会見は10日夕、首相官邸で行われた。重要法案成立後の会見で首相が陳謝するのは異例。首相は「日々の資金繰り、家計のやり繰りで苦労している皆さんにも等しく負担をお願いする。心苦しい気持ちでいっぱいだ」と述べたうえで「消費税を引き上げた増収分はすべて国民に還元される社会保障に使うことを約束したい」と理解を求めた>。

「消費税を引き上げた増収分はすべて国民に還元される社会保障に使う」というのは、おかしな話ではないだろうか。「あなたのお金を私にください。私はそのお金を、あなたのために使います」と言っているようなものだ。こんなことを言う人に、あなたはお金を渡すだろうか。増税して、それを国民に還元するというのなら、最初から増税しなければいいのだ。「あなたのため」と言う人は、たいてい信用できない。

野田首相は、少なくとも鳩山・菅に比べれば、だいぶマシな首相ではあると思う。消費増税の是非はともかく、消費増税ほど不人気な政策もなかなかないのであり、これをともかく成立させた手腕はすごい。官僚ベッタリのようにも見えるが、それも承知の上で、したたかに進めているように思える。派手さはないが、結果を出せる現実主義者なのだろう。

いまの日本の問題は、とにかく政府の支出が多すぎることだ。いくら増税で政府の収入が少しばかり増えても、支出を大きく減らさない限り、借金の膨張は止まらない。日本は借金の総額が大きすぎるのも問題だが、そもそも支出が収入をはるかに超えており、収入の倍くらい支出しているという浪費体質が問題なのだ。浪費をやめずに、増税で収入を増やそうというのは、まさに本末転倒である。


関連エントリ:
消費税を上げて法人税を下げ、再配分は所得税で調整すべし
http://mojix.org/2010/07/02/zeisei