2012.12.19
比例区の獲得議席を見ると、自民党は圧勝ではない
今回の衆院選は、獲得議席の結果だけ見ると、自民党が圧勝のように見える。しかし、小選挙区と比例区それぞれの獲得議席を見ると、その印象は変わってくる。

今回の衆院選の獲得議席(小選挙区+比例区)(今回当選の多い順)

    公示前 → 今回当選
自民  118 → 294
民主  230 →  57
維新   11 →  54
公明   21 →  31
みんな   8 →  18
未来   61 →   9
共産    9 →   8
社民    5 →   2
大地    3 →   1
国民    2 →   1
新日    1 →   0
無所属  10 →   5
合計        480

これは小選挙区と比例区を足し合わせた結果である。これを小選挙区と比例区に分解すると、このようになる。

小選挙区の獲得議席

     前回 → 今回当選
自民   64 → 237
民主  221 →  27
維新    - →  14
公明    0 →   9
みんな   2 →   4
未来    - →   2
共産    0 →   0
社民    3 →   1
大地    0 →   0
国民    3 →   1
新日    1 →   0
無所属   6 →   5
合計        300

比例区の獲得議席

     前回 → 今回当選
自民   55 →  57
民主   87 →  30
維新    - →  40
公明   21 →  22
みんな   3 →  14
未来    - →   7
共産    9 →   8
社民    4 →   1
大地    1 →   1
国民    0 →   0
新日    0 →   -
無所属   - →   -
合計        180

(注:小選挙区・比例区それぞれの表では、公示前ではなく前回当選の数字を用いている)

このように、小選挙区と比例区の獲得議席を分解して見れば、今回の数字がどのように生まれたか、よく理解できる。

小選挙区は、各選挙区で1位の候補だけが当選する。よって、そのときに優勢な政党(今回は自民党)が、実際の得票率よりもはるかに多い議席を獲得する。

いっぽう比例区は、単に政党名を書いて投票するので、政党に対する支持率がおおむね反映される。今回の結果を見ても、比例区の数字は、おおむねいまの民意を反映しているように思う。自民党はまったく圧勝ではなく、わりと納得できる数字の配分になっている。

前回の民主党の圧勝、そして今回の自民党の圧勝は、実際の民意がそうだという以上に、小選挙区という制度によって、議席配分が極端になっている部分が大きい。それがいいか悪いかは別として、このような仕組みによって「圧勝」が生じていることは、理解しておいたほうがいいと思う。


関連:
ウィキペディア - 小選挙区制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..
ウィキペディア - 比例代表制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94..
ウィキペディア - 小選挙区比例代表並立制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..

関連エントリ:
自公大勝、安倍政権へ 自公で3分の2(320議席)超えか
http://mojix.org/2012/12/17/shuuinsen-jikou
「政権交代」の勝利
http://mojix.org/2009/08/31/seiken_koutai