比例区の獲得議席を見ると、自民党は圧勝ではない
今回の衆院選は、獲得議席の結果だけ見ると、自民党が圧勝のように見える。しかし、小選挙区と比例区それぞれの獲得議席を見ると、その印象は変わってくる。
今回の衆院選の獲得議席(小選挙区+比例区)(今回当選の多い順)
公示前 → 今回当選
自民 118 → 294
民主 230 → 57
維新 11 → 54
公明 21 → 31
みんな 8 → 18
未来 61 → 9
共産 9 → 8
社民 5 → 2
大地 3 → 1
国民 2 → 1
新日 1 → 0
無所属 10 → 5
合計 480
これは小選挙区と比例区を足し合わせた結果である。これを小選挙区と比例区に分解すると、このようになる。
小選挙区の獲得議席
前回 → 今回当選
自民 64 → 237
民主 221 → 27
維新 - → 14
公明 0 → 9
みんな 2 → 4
未来 - → 2
共産 0 → 0
社民 3 → 1
大地 0 → 0
国民 3 → 1
新日 1 → 0
無所属 6 → 5
合計 300
比例区の獲得議席
前回 → 今回当選
自民 55 → 57
民主 87 → 30
維新 - → 40
公明 21 → 22
みんな 3 → 14
未来 - → 7
共産 9 → 8
社民 4 → 1
大地 1 → 1
国民 0 → 0
新日 0 → -
無所属 - → -
合計 180
(注:小選挙区・比例区それぞれの表では、公示前ではなく前回当選の数字を用いている)
このように、小選挙区と比例区の獲得議席を分解して見れば、今回の数字がどのように生まれたか、よく理解できる。
小選挙区は、各選挙区で1位の候補だけが当選する。よって、そのときに優勢な政党(今回は自民党)が、実際の得票率よりもはるかに多い議席を獲得する。
いっぽう比例区は、単に政党名を書いて投票するので、政党に対する支持率がおおむね反映される。今回の結果を見ても、比例区の数字は、おおむねいまの民意を反映しているように思う。自民党はまったく圧勝ではなく、わりと納得できる数字の配分になっている。
前回の民主党の圧勝、そして今回の自民党の圧勝は、実際の民意がそうだという以上に、小選挙区という制度によって、議席配分が極端になっている部分が大きい。それがいいか悪いかは別として、このような仕組みによって「圧勝」が生じていることは、理解しておいたほうがいいと思う。
関連:
ウィキペディア - 小選挙区制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..
ウィキペディア - 比例代表制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94..
ウィキペディア - 小選挙区比例代表並立制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..
関連エントリ:
自公大勝、安倍政権へ 自公で3分の2(320議席)超えか
http://mojix.org/2012/12/17/shuuinsen-jikou
「政権交代」の勝利
http://mojix.org/2009/08/31/seiken_koutai
今回の衆院選の獲得議席(小選挙区+比例区)(今回当選の多い順)
公示前 → 今回当選
自民 118 → 294
民主 230 → 57
維新 11 → 54
公明 21 → 31
みんな 8 → 18
未来 61 → 9
共産 9 → 8
社民 5 → 2
大地 3 → 1
国民 2 → 1
新日 1 → 0
無所属 10 → 5
合計 480
これは小選挙区と比例区を足し合わせた結果である。これを小選挙区と比例区に分解すると、このようになる。
小選挙区の獲得議席
前回 → 今回当選
自民 64 → 237
民主 221 → 27
維新 - → 14
公明 0 → 9
みんな 2 → 4
未来 - → 2
共産 0 → 0
社民 3 → 1
大地 0 → 0
国民 3 → 1
新日 1 → 0
無所属 6 → 5
合計 300
比例区の獲得議席
前回 → 今回当選
自民 55 → 57
民主 87 → 30
維新 - → 40
公明 21 → 22
みんな 3 → 14
未来 - → 7
共産 9 → 8
社民 4 → 1
大地 1 → 1
国民 0 → 0
新日 0 → -
無所属 - → -
合計 180
(注:小選挙区・比例区それぞれの表では、公示前ではなく前回当選の数字を用いている)
このように、小選挙区と比例区の獲得議席を分解して見れば、今回の数字がどのように生まれたか、よく理解できる。
小選挙区は、各選挙区で1位の候補だけが当選する。よって、そのときに優勢な政党(今回は自民党)が、実際の得票率よりもはるかに多い議席を獲得する。
いっぽう比例区は、単に政党名を書いて投票するので、政党に対する支持率がおおむね反映される。今回の結果を見ても、比例区の数字は、おおむねいまの民意を反映しているように思う。自民党はまったく圧勝ではなく、わりと納得できる数字の配分になっている。
前回の民主党の圧勝、そして今回の自民党の圧勝は、実際の民意がそうだという以上に、小選挙区という制度によって、議席配分が極端になっている部分が大きい。それがいいか悪いかは別として、このような仕組みによって「圧勝」が生じていることは、理解しておいたほうがいいと思う。
関連:
ウィキペディア - 小選挙区制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..
ウィキペディア - 比例代表制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94..
ウィキペディア - 小選挙区比例代表並立制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F..
関連エントリ:
自公大勝、安倍政権へ 自公で3分の2(320議席)超えか
http://mojix.org/2012/12/17/shuuinsen-jikou
「政権交代」の勝利
http://mojix.org/2009/08/31/seiken_koutai