2009.08.31
「政権交代」の勝利
報道されている通り、8月30日投票の総選挙は民主党が圧勝し、歴史的な「政権交代」を決めた。

asahi.com - 〈速報〉:民主297議席、自民107議席(2009年8月30日23時49分)
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908300116.html

主な政党の議席数

自 民 107
民 主 297
公 明 18
共 産 7
社 民 5
国 民 3
みんな 5
改 革 0
大 地 1
日 本 1
諸 派 0
無所属 6

(注:これは途中経過なので、確定しだい、末尾にUpdateをつけます)

ほぼ、事前にマスコミで報道されていた通りの結果だ。

私も「政権交代」自体は支持していたが、民主党の政策はとても支持できないので(それは自民党も同じ)、複雑な思いはある。特に、民主党そのものよりも、民主党にこれほどの圧勝をもたらした「お祭り」的な民意は、健全とは思えない。これは主に、世論形成に対するマスコミの影響力がまだ強すぎるからだろう。

とはいえ、ズルズル自民党政権が続くよりも、とにかくいちど政権交代すべきだと私も思うし、まさにそれが今回の「民意」だったと思う。事前の報道などを見ても、積極的に民主党を支持しているというよりも、とにかく自民党はもうダメだという消去法で、民主党が選ばれたようだ。つまり今回の総選挙では、民主党が勝利したというよりも、「政権交代」が勝利したのだと思う。

個人的には、政策的にもっとも共感していた「みんなの党」が健闘し、5議席を確保したのがうれしい(渡辺喜美、江田憲司、浅尾慶一郎、山内康一、柿沢未途の各氏)。政党自体できたばかりで知名度も低く、十分な数の候補者を立てられなかったにもかかわらず、わりと注目を集めていたようで、マニフェストへの評価でもピカイチだったように思う。

おそらく次の総選挙までには、政界再編が起きるだろう。もともと内部の振れ幅が大きい上に、一気に巨大化する民主党が、ひとつの方向でまとまるはずがないし、野党に転落してまさに「ぶっ壊された」自民党も、今度こそ政策ベースで割れてくるはずだ。そのような動きが出てくれば、小さな政府・脱官僚・経済成長といった政策ベースで比較的まとまっている「みんなの党」は、おそらく再編の軸になってくると思う。

ともあれ、ここで歴史的な政権交代が起きたことは、きっと日本にとってプラスになると信じる。鳩山政権自体に期待するというよりも、この政権の変化が、日本人全体に対して「政治意識」を目覚めさせることになると思うからだ。そのためにも、まずはできるだけ早く公職選挙法を改正し、ネットで自由に選挙活動ができるようにしてもらいたい。

次の総選挙では、マスコミの強い影響下で「お祭り」的な民意が一方に大きく偏るというこれまでのパターンではなく、ネットを使った政策的な議論ももっと活発におこなわれて、アメリカの大統領選挙のように2つの勢力が「接戦」を繰りひろげるような、そんな成熟した選挙になることを期待したい。


関連エントリ:
鳩山由紀夫「A New Path for Japan」
http://mojix.org/2009/08/30/a_new_path_for_japan
「自民は不満、民主は不安」 一時的なバラマキではなく、真の経済成長をもたらす規制改革を
http://mojix.org/2009/08/24/jimin_minshu_goumon

Update(8/31):
最終的に確定した議席数は以下の通り。

自 民 119
民 主 308
公 明 21
共 産 9
社 民 7
国 民 3
みんな 5
改 革 0
大 地 1
日 本 1
諸 派 0
無所属 6