2012.12.30
メタファーとメトニミーの違い
ウィキペディア - メタファー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1..

<メタファー(metaphor)は、隠喩(いんゆ)、暗喩(あんゆ)ともいい、伝統的には修辞技法のひとつとされ、比喩の一種でありながら、比喩であることを明示する形式ではないものを指す。つまり、「~のようだ」のような形式だけであからさまに比喩とわかる比喩(=simile直喩)ではないもののことである>。

ウィキペディア - 換喩
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%9B%E5%96%A9

<換喩(かんゆ)は、修辞学の修辞技法の一つで、概念の隣接性あるいは近接性に基づいて、語句の意味を拡張して用いる、比喩の一種である。また、そうして用いられる語句そのものをもいう。メトニミー(英: metonymy)とも呼ばれる。文字通りの意味の語句で言い換える換称とは異なる。上位概念を下位概念で(またはその逆に)言い換える技法を提喩(シネクドキ)といい、これを換喩に含めることもある>。

「メタファー(隠喩)」は有名で、広く知られているが、「メトニミー(換喩)」は少しむずかしく、あまり知られていない。「メトニミー」とか「換喩」という言葉自体が言いにくいのも、普及しない原因のひとつだろう。

しかし、メトニミーはよく使われている。このページにも出ている、「霞ヶ関」(日本の官庁)や「永田町」(日本の国会)といった地名パターンは、特にわかりやすい例だろう。「ハリウッド」(米国の映画界)や「シリコンバレー」(米国のIT業界)なども、地名によるメトニミーである。

教えて!goo - メタファー、メトニミーの区別のしかた・・・(2005/05/23)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1405683.html

<メタファーもメトニミーも
あるものAを別のものBで置き換えて表現することですが,
AとBに何らかの関連性がなければなりません>。

<このとき
AとBが形態や性質の類似性によって結びついているものがメタファー(metaphor=隠喩),
AとBが隣接や包含の関係によって結びついているものがメトニミー(metonymy=換喩)です>。

<たとえば
「目玉焼き」は卵と目玉の形態的類似性に基づくメタファー,
「たこ焼き」は主たる具によって全体を表わすメトニミーです>。

この説明はわかりやすい。Aを言うためにBを使ったとき、

- AとBが「似ている(類似)」のがメタファー
- AとBが「つながっている(隣接)」のがメトニミー

なのだ。「目玉焼き」は「目玉」に似ているからメタファーで、「たこ焼き」は「たこ」とつながっている(たこを含んでいる)からメトニミーである。

新聞や雑誌などで、よく「永田町に激震」といった表現が出てくる。これはもちろん、永田町という地区に激しい地震が起きた、という意味ではない。「永田町」は政界をあらわすメトニミーで、「激震」はその人たちの気持ちが揺さぶされたことをあらわすメタファーである。


関連:
Wikipedia - Metaphor and metonymy
http://en.wikipedia.org/wiki/Metaphor_and_metonymy