2013.01.31
島根県と岡山市の「自虐PR」 広島県の成功につづけ
YOMIURI ONLINE- 元祖過疎県・どこからも遠い…自虐PR似合う県(2013年1月23日)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130122-OYT1T00244.htm

<広島県は昨年、いいものがあるのに何かが足りないという点を逆手にとって「おしい! 広島県」のキャッチフレーズで観光キャンペーンを展開。全国的な人気を呼んだ。
 これに対し、島根県のPRキャラクター「吉田くん」のアニメを制作する東京の映像制作会社は2009年から、島根県と協力して、自虐的なキャッチコピーで島根を宣伝するカレンダーを販売してきた>。


「元祖、過疎県」などと島根を自虐的にPRするカレンダーやポスター(県庁で)

<今年のカレンダーでも「元祖、過疎県」「どんなにおいしくても行列ができません」「Uターンしてくるのは、神様ばかり」と“田舎っぷり”をアピール。壁掛け版、卓上版計1万部が完売間近だという。
 県内では、週末になると、買い物でわざわざ広島まで出かける若者も多いため、卓上版カレンダーには「広島に近くて便利」と、広島人気に便乗しようというフレーズすらある>。

広島県の「おしい! 広島県」というキャンペーンが成功したのに刺激されて、自治体の「自虐PR」が活気づいているようだ。島根県は「元祖、過疎県」など、以前から自虐路線でPRしているとのこと。「広島に近くて便利」はおもしろい(笑)。

朝日新聞デジタル - どこかで聞いた気が…「おしい!桃太郎市」宣言 岡山市(2013年1月29日)
http://www.asahi.com/national/update/0129/OSK201301290050.html

<「岡山市は『桃太郎市』に改名します」。鬼のように頭に角を生やした高谷茂男市長が29日、市の特設ホームページから見られる動画でこう宣言した>。


写真:高谷茂男市長が登場する動画の一場面=岡山市提供

<2月から始まる市のPR事業に合わせた話題づくりで、架空のお話。しかし、キャッチフレーズの「おしい!桃太郎市」は、どこかで聞いた気が>。

<香川県の「うどん県」や広島県の「おしい!」をあえてまねた。湯崎英彦・広島県知事は会見で「ここまで二番煎じを徹底するのもすごい」と感心しきり>。

こちらは岡山市。「おしい!桃太郎市」というキャッチフレーズで、香川県の「うどん県」や広島県の「おしい!」をあえてまねた、とのこと。堂々とパクリを認めているのがいさぎよい。堂々とパクっているので、湯崎英彦・広島県知事も認めざるをえない格好だ。

朝日新聞デジタル - 「おしい!広島県」絶妙の自虐戦略 賛否巡って話題沸騰(2012年5月3日)
http://www.asahi.com/national/update/0503/OSK201205030009.html


有吉さんを中心にストーリーが進む「おしい!広島県」の公式PR動画=県提供

<自虐的にも聞こえる広島県の新観光PR「おしい!広島県」が注目されている。専用ウェブページへのアクセスは計約167万件(4月末現在)。ユーチューブの公式動画には「行きたくなった」「『おしい』はやっぱり寂しい」など賛否両方のコメントが並ぶ>。

こちらが「おしい!広島県」キャンペーンの記事(昨年5月)。岡山市は、このフォーマットをまるごと借りたわけだ。こうして比べると、まさにそのまんまである。

いまの時代、「ゆったりした自然のなかで時を忘れる」みたいな、ありきたりの観光PRでは、印象に残らない。こういうマニアックなやつのほうがウケるし、特にネットになじんでいる若年層にはそうだろう。

自虐PRは、夕張市の「メロン熊」や高松市の「うどん脳」、尼崎市の「ちっちゃいおっさん」といった、型破りな地方キャラにも通じるものがある。それは若い世代によるあたらしい「まちおこし」であり、PRやキャンペーンにとどまらず、あたらしい「観光資源」になりつつあるように思う。


関連:
ウィキペディア - 島根県
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E7%9C%8C
ウィキペディア - 岡山市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E5%B1%B1%E5%B8%82

関連エントリ:
「そろそろ和歌山に行ってみよう」キャンペーン
http://mojix.org/2011/01/17/sorosoro-wakayama