2013.02.12
漢字「明」の音読みは、「ミョウ」「メイ」「ミン」の順番で日本に入ってきた
ウィキペディア - 音読み
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E8%AA%AD%E3%81%BF

<音読みには呉音・漢音・唐音(宋音・唐宋音)・慣用音などがあり、それぞれが同じ漢字をちがったように発音する。たとえば、「明」という漢字を呉音では「ミョウ」と、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読む>。

<漢音は7、8世紀、遣唐使や留学僧らによってもたらされた唐の首都長安の発音(秦音)である。呉音は漢音導入以前に日本に定着していた発音で、通説によると呉音は中国南方から直接あるいは朝鮮半島(百済)経由で伝えられたといわれるが、それを証明できるような証拠はない。唐音は鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたものである>。

漢字の音読みは、日本に入ってきた時期によって、呉音(ごおん)、漢音(かんおん)、唐音(とうおん)、その他(慣用音など)に分類できるそうだ。

呉音(ごおん)は遣唐使以前からあったもので、もっとも古いもの。遣唐使の頃に入ってきたものが、漢音(かんおん)。鎌倉時代以降に入ってきたものが、唐音(とうおん)とのこと。漢字「明」でいうと、「ミョウ」が呉音、「メイ」が漢音、「ミン」が唐音だそうだ。

<呉音は仏教用語や律令用語に使われ、日常語としても定着した。漢音はもっぱら儒学で用いられた。また、近代以降、西洋語を翻訳するのに作られた和製漢語にはもっぱら漢音が使用された。唐音は、禅宗用語を除けば、「椅子(イス)」や「蒲団(フトン)」のように中国から流入した物品の名称に使われることが多い>。

そうだったのか。漢字の音読みに、こんな歴史的背景があったとは。じつにおもしろい。


関連エントリ:
和製漢語
http://mojix.org/2008/09/09/wasei-kango