2013.02.23
「総合電機3社」 「電機大手8社」とは
ウィキペディア - 電機メーカー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB..

<電機メーカー(でんきメーカー)とは、家電と呼ばれる軽電製品(テレビ、洗濯機、電気調理器具、空調機器 など)や重電製品(発電機、変圧器などの電力設備)、LSIなどの半導体、産業用電気製品(産業用電動機、産業用ロボット など)、航空宇宙機器(民間用航空機、人工衛星、宇宙探査機、ロケット など)、兵器(軍用機、ミサイル など) これらの電気製品をどれか一つでも手掛けているメーカーのことである>。

この「電機メーカー」のページ、すばらしく充実している。

日本の電機メーカー」のところにある説明によると、報道等で使われる「総合電機3社」「電機大手8社」とは、次の会社を指すとのこと。

「総合電機3社」

- 日立製作所
- 東芝
- 三菱電機

「電機大手8社」

総合電機3社に加えて、

- パナソニック
- ソニー
- 富士通
- シャープ
- NEC(日本電気)

この8社を分類すると、

- 総合電機メーカー : 日立製作所、東芝、三菱電機
- 総合家電メーカー : パナソニック、シャープ
- 総合エレクトロニクスメーカー : 富士通、NEC
- 音響、映像系メーカー : ソニー

となるらしい。

「総合電機メーカー」の説明には、こう書かれている。

<総合電機メーカーは、個人向けの製品(家電など)を多く製造する一方、それらの全体に占める売上は下記3メーカーとも10%~20%と他分類に比べ少ない。製品は、電化製品だけにとどまらず、情報技術や工作機械、FA製品、産業用ロボット、電子デバイス、半導体、通信、物流、金融、リース、建設、昇降機、ビル管理、建機、化学、鉄鋼、金属、防衛製品、宇宙産業、鉄道車両などの分野をグループ傘下に持つ場合が多く、業種を超えた幅広い技術がグループ内に存在し、融合製品(例えば、ビル+IT+通信、家電+通信など)を生み出す事が、他社の技術を使わずに出来ることが総合電機最大の強みである>。

「総合電機」は、まさにあらゆる電気製品をつくっているわけだ。

総合電機の場合、売上にしめる家電の比率は、10%~20%とのこと。この数字は今後、さらに下がっていくと思う。家電は競争が激しいので、総合電機が片手間にやっていても、勝てる商品はつくれないだろう。

「総合家電メーカー」の説明には、こう書かれている。

<総合家電メーカーの多くは、電器店の特約店ネットワークを持っている場合が多く、これら電器店は1メーカーに依存しながら繁栄する上で、メーカー側に幅広い商品の開発と製造を、消費者のニーズとして求めたため、乾電池から白物家電を経て娯楽家電に至るまで、幅広い製品層を維持している>。

なるほど。電器店の特約店ネットワークを通じて、消費者からさまざまなニーズが上がってくる。それに応えていった結果、いろいろな家電をつくる「総合家電」になったわけだ。

むかしはネットもなかったので、消費者が「この商品はクソだ」「こんな商品がほしい」とブログやツイッターに書いたりすることもなかった。電器屋のオヤジがお客さんと世間話をして、「これは使いにくいよ」「こういうものがあったらいいのに」みたいな要望をきいて、その声をメーカーに上げていたのだろう。<関西を拠点とするメーカーが多いのも特徴である>と書かれているが、たしかに関西のほうが、こういうのは得意そうだ。

<しかし1990年代には、この幅広い製品層が、総合家電メーカーの収益率悪化を招いている部分があり、生活に必需ながら利益の上がらないコモディティ化した分野の製品に見切りをつけ、海外生産拠点の統廃合やOEM製品の取り入れといった動きを見せている>。

いわば「家電のなんでも屋」なので、より製品を絞った専門メーカーにはかなわないわけだ。

「総合家電」だから、総合電機に比べて、より家電に大きく依存している。総合電機のように、家電以外の幅広い収益源がないわけだ。いまの時代、家電の競争は激しいので、このビジネスモデルは苦しそうだ。

「総合エレクトロニクスメーカー」は、

<各種半導体、コンピュータ、情報通信機器を主に製造・販売>。

とある。これも、いまの時代は競争が激しく、なかなか苦しいビジネスモデルだろう。

富士通とNECは、IT業界の人間には、SIer(システムインテグレーター、情報システム請負業者)の大手というイメージも強い。SIは製造業に比べると、機械でなく人間がシステムをつくるので、それほど大きくは儲からない。しかし逆にいえば、そこそこ手堅いビジネスだろう。いまや、エレクトロニクスやハードで儲けるのはむずかしいだろうから、SIがあるのは救いかもしれない。ちなみにSIは「総合電機3社」もやっていて、どこも大手である。


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